CSR(企業の社会的責任)の日本規格づくりの背景には、ISO(国際標準化機構)が進めているCSRの国際標準化の動きがある。ISOは国際間の産業活動や流通を円滑に行うための国際規格を定める機関で、代表的な規格として環境マネジメントや環境監査などの指針、手順、手法、基準などを定めたISO14000シリーズなどがあるが、ISOの諮問委員会ではCSRについても国際標準化に向けての議論を進めている。
雇用問題や財政難で悩むフランスやドイツなどヨーロッパ主要国が主にCSRの国際標準化を強く押しているが、テーマは法令順守や環境公害、人権、雇用、地域開発など幅広く、定義も曖昧なため議論はつきない。日本の経済界でもCSRの規格化については賛否両論あるのが現状だ。
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