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2003/12/17号

公益通報者保護法

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 自動車のリコール隠しや牛肉偽装事件など、内部告発をきっかけに企業の不祥事が明らかになるケースが増えたが、解雇や契約解除などを恐れて通報を踏み留まることも少なくない。
 そこで企業不祥事への監視機能を強め、消費者の利益を守るためには通報者を保護する制度が必要との狙いから、2003年5月に首相の諮問機関である国民生活審議会が報告書をまとめ、内閣府が法案づくりを進めてきた。
 今回の法案概要では、保護の対象を明確な法令違反だけに限ると告発を踏み留まり、消費者の利益を損なう懸念があるため、「犯罪行為などが生じる恐れ」を告発した場合も保護の対象とした。更に企業が通報者に企業の対応を報告すること、通報を受けた行政機関は必要な調査を行うことなど、受けた側の義務規定も盛り込んでいる。ただし罰則規定はなく、紛争解決は民事裁判に委ねられる。

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