循環取引とは、商品が売主から複数の企業を経由して転売され、最終的に当初の売主に戻るという取引が繰り返し行われることであり、売上高を不正に増加させる目的や在庫品を利用した資金繰りなどのために利用されることが多い。転売行為自体は違法ではないが、対象となる商品が存在しなかったり、存在していても、その価値が取引金額に比べて著しく低いケースが多く、問題となることがある。
取引の実態がない場合、売上高や利益を過大に計上していることになり、財務諸表や有価証券報告書の虚偽表示となる可能性がある。また、循環取引に参加した企業が倒産したような場合、在庫の評価損や売上債権の回収不能等の損害が発生するおそれもある。
<< 一覧へ戻る