多重代表訴訟とは、親会社の株主が、子会社の取締役等の責任を直接追及する訴えのこと。現行法の下では存在しない制度である。現行法で認められている株主代表訴訟では、訴訟を提起し、ある会社の取締役等の責任を追及できるのは、その会社の株式を自ら保有する株主に限られるため、親会社の株主が、別会社である子会社の取締役等の責任を追及することはできない。
持株会社化や企業再編が進んだ現在、かつてはひとつの企業であった会社が、複数の会社から構成される企業集団となるケースが増えていることを受け、企業集団における親会社の株主の利益を保護することにつながると考えられる本制度の創設が検討されている。
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