西武鉄道が子会社の不動産販売会社を通じ、総会屋に土地を低価格で売却した後転売させ、差額を提供していたとして、同社専務ら６人と西部不動産販売部長、不動産ブローカー、総会屋側３人が商法違反（利益供与）容疑で相次ぎ逮捕された。
　西武鉄道専務らは株主総会を問題なく終わらせるため、2001年１月と５月、神奈川県内に所有する宅地２件を、総会屋が顧問を務める不動産会社に子会社を通じて格安で販売し、転売による差益8800万円を供与したとされる。西武鉄道では再発防止に向け調査・検討委員会を発足、法令順守のための組織の設置などを検討するとしている。
　1997年の商法改正で、総会屋への利益供与に対する罰則強化や利益供与要求罪が新設されたが、依然として歯止めにはなっていない。