スポーツ用品業界では、1990年代にNikeやAdidas、Reebokなどの下請け工場での低賃金労働や児童労働、劣悪な環境の労働などの問題が報道され、欧米での不買運動にまでつながった経験を持っている。しかし、北京五輪に向けた労働組合やNGOによるスポーツ用品産業の労働者の権利を守る国際キャンペーン「Play Fair 2008」が実施した調査によると、今なおこうした問題には十分な改善がみられないという。メーカーの多くは製造を外部委託しているが、こうしたサプライヤーの1つの中国南部でAdidas、Nike、Umbro、Filaなどの製品を製造しているJoyful Long工場では、平均時給が法定最低賃 金の半分程だったという。北京五輪を控え増産傾向にある中、スポーツ用品メーカーには一層の責任あるサプライヤー管理が求められている。
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