2009年12月21日、東京高裁は派遣社員の契約期間中の解雇や雇い止めを無効とし、派遣会社に対し、賃金支払いを命ずる決定を下した。本件は、資生堂工場に同年5月末まで勤務していた元派遣社員が、派遣会社に対して、雇用の継続と賃金の支払いを求め仮処分申請していたもの。
高裁は「従業員の著しい不利益になることを知りながら、そのことを告げず」に契約期間を短縮したのは「著しく不当」としたうえで、派遣先会社側の減産を解雇理由とする主張に対しても「労働契約法等の『やむを得ない事由』にあたらない」と指摘。横浜地裁の決定を取り消し、雇い止めを無効とし、契約期間である12月までの賃金支払いを命じた。
厚労省が25日に発表した「非正規労働者の雇止め等の状況について」によると、2008年10月から2010年3月までに失職する派遣労働者等は約25万人に達する見込みであることからも、次期通常国会への提出が見込まれる労働者派遣法の改正案の審議が注目される。
<< 一覧へ戻る