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2010/07/27号

最高裁、会社分割に伴う転籍の有効・無効の判断基準を提示

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 会社分割に伴い転籍を命じられた日本IBMの元従業員が、「協議不十分であるため転籍は違法」として、同社従業員としての地位確認と損害賠償を求めていた訴訟において、最高裁判所は会社分割に伴う転籍の有効・無効の判断を示した。
 労働契約承継法などにより、「会社分割に伴う労働契約の承継に関し、労働者と協議すること」が義務づけられているが、今回の判決では、「協議が全く行われなかった」か「会社からの説明や協議の内容が著しく不十分」であった場合には、転籍(労働契約承継)は無効との基準を示した。なお、労働者の理解と協力を得るよう努めることは、努力義務とされ、個別的同意までは求められていない。
 本件では説明や転籍に納得しない労働者に対し最低3回の協議を行っていたことなどから、「協議が不十分であるとはいえない」として、転籍の効力を認めた。

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