2020年2月28日、公正取引委員会は、楽天株式会社の「共通の送料込みライン」(一定額以上の注文については、出店者側の負担で送料を無料とする施策)が、独占禁止法が禁止している「優越的地位の濫用」にあたる可能性があるとして、緊急停止命令を出すよう東京地方裁判所に申立てた。緊急停止命令の申立ては、2004年6月以来、16年ぶり。
公取委は、緊急停止命令を申立てた理由について、同施策が実施されれば、公正かつ自由な競争が著しく侵害されてしまい、行政処分を待っていると、公正かつ自由な競争の秩序を回復するのが難しい状況に陥るため、としている。
なお、2020年3月6日に、楽天が「新型コロナウイルス感染拡大の影響等を考慮し、同施策の開始時点では、参加は出店者の任意にする方針に変更して開始する」と発表したことを受け、公取委は、一時停止を求める緊急性が薄れたと判断し、申立てを取下げた。
ただし、違反の疑いがある行為に対する調査については、継続するとしている。
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