2020年4月、東証一部上場企業のメーカーが、海外子会社による外国公務員への贈賄行為について、第三者委員会の報告書を公表した。
同社は、2019年12月、海外子会社が、現地での税務調査過程で不適切な金銭の交付を行った疑いがあると認識したため、第三者委員会を設置し、事実確認等を行うとしていた。
同報告書などにより、主に次の2つの、不正競争防止法が禁止する「外国公務員贈賄罪」にあたる可能性の高い行為が判明した。
①2017年、海外子会社が現地税関局より約18億円の追徴金の支払いが必要と伝えられた際、本社社長の承認を得た海外子会社社長らが、追徴金の減額を企図し、現地税関局職員に約1,000万円を支払って追徴金の支払いを免れたこと
②2019年にも、海外子会社が現地税務局より法人税等約9,000万円の追徴金を求められた際、税務局職員の要求に応じて約1,500万円を支払うことで、追徴金等を最終的に約260万円まで減額したこと
2020年5月、同社は同報告書を受け、本社社長の引責辞任(2020年6月予定)および経営体制の刷新、外国公務員贈賄リスク管理体制の整備等の再発防止策を公表した。
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