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2020/11/10号

正規労働者と非正規労働者との待遇差 不合理かは個々のケースごとに判断

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 正規労働者と非正規労働者との待遇差についての訴訟で、最高裁の判決が相次いで下されている。
 正規労働者には賞与・退職金を支給するが非正規労働者には支給しないという待遇差が不合理かどうか争われた2件の訴訟で、2020年10月13日、最高裁は待遇差を「不合理とまでは評価できない」との判断を示した。賞与が争点となった大阪医科大学の元アルバイト職員による訴訟では、正規労働者とアルバイトでは業務内容に違いがあったと指摘。また、退職金が争点となった東京メトロ子会社メトロコマースの元契約社員による訴訟でも、正規労働者との間で役割などに違いがあったとし、2件とも待遇に差があるのは不合理とはいえないと判断した。
 しかし、最高裁は、これらの訴訟の中で、状況によっては待遇差が不合理と認められるケースもあり得るとの考えを示している。実際、郵便局の契約社員と正規労働者との間で、手当や休暇などの待遇に差があるのは不合理かどうかが争われた3件の訴訟では、同年10月15日に、待遇に不合理な差があり違法との判決を下した。

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