2020年12月3日、東京地検特捜部は、金融商品取引法違反容疑で、旧ドンキホーテHDの前社長を逮捕した。
この件に関しては、証券取引等監視委員会(以下、監視委)が、2019年秋と2020年夏に関係先を強制捜査しており、東京地検特捜部は、監視委と合同で全容解明を進めている。
これまでの監視委の調査等によると、旧ユニー・ファミリーマートHDと旧ドンキホーテHD(いずれも現在は名称を変更)間で実施されたTOB(株式公開買い付け)などの連携強化策が2018年10月11日に公表されるより前に、前社長が知人に自社株の購入を勧め、知人らは公表前後の売買で多額の利益を得たとみられている。
東京地検特捜部と監視委は、当該行為が、金融商品取引法で禁止する「企業の未公表の重要事実を基に、他人に株の売買等を勧める行為(=取引推奨行為)」にあたるとみて、逮捕に踏み切った。なお、取引推奨行為のみで逮捕された事案は初となる。
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