2021年4月21日、改正プロバイダ責任制限法が可決・成立し、同月28日に公布された。公布日から1年6月以内に施行予定。
本改正は、2020年5月に人気テレビ番組の出演者がインターネット上で誹謗中傷を受け自殺した事件をきっかけに、誹謗中傷の発信者情報の開示請求をしやすくする目的でなされた。
誹謗中傷された被害者は、加害者に、名誉棄損等の不法行為による損害賠償を請求できる。この際、加害者の情報が必要となるが、インターネット上での誹謗中傷の場合、加害者(発信者)が、匿名や偽名であることも多い。その場合、被害者は、裁判所を通じてSNS事業者等に対し、プロバイダ責任制限法に基づく「発信者情報開示請求」を行い、発信者を突き止める。
しかし、現行法では、2回の開示請求が必要など、裁判手続に手間と時間が掛かるため、被害者の負担が大きい。今回、1回の開示請求で済む新たな裁判手続が創設され、開示請求を行うことができる範囲の見直しも行われた。
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