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2022/06/14号

SMBC日興証券と元役員ら起訴、相場操縦罪の容疑で

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 東京地検特捜部は、2022年3月24日および4月13日、SMBC日興証券株式会社と同社の元役員・社員を金融商品取引法違反(相場操縦罪)の容疑で起訴した。
 起訴状によると、元役員らは、2019年12月から2021年4月にかけて、ブロックオファーに関連した不正な取引を行ったとされる。
 「ブロックオファー」とは、大量の株を一括で売却したい株主から、証券会社が株式を買い取り、市場の取引時間外に投資家へ転売することである。
 本件では、元役員らは特定の10銘柄について、株価の下落を防ぐため、市場の取引終了間際に大量の買い注文を出すなどした。これが、株式等の公正な価格形成をゆがめる行為として、金融商品取引法で禁止されている「相場操縦(安定操作)」に当たると判断された。
 大手証券会社が相場操縦罪で起訴されるのは異例であるが、東京地検特捜部は、株価の安定操作がSMBC日興証券の業務に関連して実行されたものであることに加え、同社のコンプライアンス体制が欠如していることを重視して起訴に踏み切ったものと見られる。

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