内部告発による企業の不正発覚は数知れず…。これによって消費者の利益や安全が守られる場合が多いため、とても大切なことだけど、なかなか自社を告発する勇気って出ませんよね。しかし、皆が保身を考えていたら良くならないのが世の中。勇気ある正義漢が不当な不利益をこうむらないよう、制度も整えていくようですよ。
あー、あったまきちゃう!筋野め!
え、筋野くん?なになに、彼がどうしたの?
どうもこうもないですよ!会社の珈琲豆をまとめて買ってきてくれるっていうからプール金を渡したら、お釣りをIN MY POCKETしてたんですよっ。しかも常習らしいし…。
マアマア、そんなに怒らなくても。手間賃だと思って大目に見てあげたら?
み、みんなのお金ですよー!!言うにこと欠いて筋野め、「こんなハシタ金くらい、いいじゃーん」などどヌケヌケと…許さん!
それは確かにNGよね。
あ、今日もゆき先輩!
「今日も」ってさ…まぁ、筋野くんの件は後でみっちりおしおきするとして。着服や横領などの社内の不正は、内部告発で明るみになることが多いのよね。
ナイブコクハツ…って、なんか穏やかじゃないですね。告発したことがわかったら、表向きは違う理由つけて解雇とか降格とかされそうな。
そうね。それが怖いから、「マズイ」と思っていてもなかなか出来ない人が多いのね。でも、内部告発者は「ホイッスルブロワー」とも呼ばれる警鐘の鳴らし手なのよ。せっかくの正義感をつぶしてしまわないように、「公益通報者保護法案」が次の通常国会に提出される予定なの。
保護法案…ですか?
そう。この法案では、現時点で法を犯しているわけではなく、ゆくゆく「犯罪などが生じる恐れ」を告発した場合でも保護対象になるようよ。法令違反の告発だけが対象では、告発そのものを踏みとどまってしまうかも知れないでしょう。
だけど、社内の人に言い付けても、結局「同じ穴のムジナ」だからもみ消されそうな気もしますよね…。
鋭いわねべっきぃ。事業者内部を対象とした「内部通報」のほかにも、「行政機関」への通報と、マスコミや消費者団体などへの「外部通報」の2つの場合が想定されているわよ。 「内部通報」は、犯罪行為の事実やその恐れがあると考えられる場合に、通報者を保護しようというもの。「行政機関」への通報は、信じるに足りる相当の理由がある場合、「外部通報」は、証拠隠滅の恐れがある場合や、告発しないことを不当に要求されたりした場合が通報の条件とされているわ。
じゃあ、その条件の範囲であれば解雇や降格はナシ、ってことなんですね…。
よっしゃ~! 法案が来期国会で可決成立され次第、犯罪者・筋野を天誅にかけてくれるッ。(燃えるべっきぃ)
ぎゃ~! お代官様、じゃなかった世直しべっきぃ、それは堪忍してあげてつかあさい!
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