第一法規株式会社|教育研修一覧

2004/01/26号

~内部統制システムってなに?!~の巻

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企業統治に内部統制コンプライアンスと、とかくこの世はわかりづらい・・・だれか、頭の整理をしてー!

(小さな声で)ねぇ、べっきぃ。こっそり教えてほしいことがあるんだけど。

(大きな声で)教えてほしいことって、なんですか?つき先輩!

あんたってさ、わざとでしょ。ふん。あのさ、コーポレート・ガバナンスとか内部統制システムとかコンプライアンス・システムとか……なんだかいっぱいあって、このところ頭がごちゃごちゃしてきちゃって。一つ一つの意味は知っているんだけどさ(ふふ、一応ね)。

そうですねー。コーポレート・ガバナンスって「企業統治」って訳すんですよね。でも、統治とか統制とか、べっきぃにはよくわかりません!

あ、帰国子女、開き直ったな。

そうよね、よくわからなくなっちゃうわよね。なんのことか。

ゆき先輩!先輩でもそんなことがあるんですか?

ありますよ!でもね、もっとシンプルに基本に戻って考えれば、頭の整理はできるわよ。

基本……。

そう。いろいろな考え方があるけれど。もともとコーポレート・ガバナンスは、企業ステークホルダーのために企業の収益力確保や経営効率の改善を図るための体制づくりを目指すものとして考えられてきたと思うの。一方で、米国や日本で起きている企業不祥事の結末からみると、企業は、市民とか社会から企業存続の大前提として「誠実さ(インテグリティ)」が求められているのよ。コンプライアンスの推進は、企業が、誠実さ・健全な心をもつために必要不可欠な取組みだと考えるの。大きな意味でコンプライアンスは、法令遵守が土台にあって、さらにそれを企業倫理、市民・社会の倫理が調和するところで成り立つともいわれているわ。コーポレートガバナンスは、従来の「利に関して様々な考えをもつ企業のステークホルダーの統制」という考え方にとどまらないで、企業の誠実さ、経営の透明性を実現して、社外取締役などの外の視点も重視しながら問題点を発見、解決してくという動きになってきているわね。

まずは、企業の心のもち方ですね。

そして、誠実さとともに、市民生活や社会をより良くするために、企業としての役割・責任を果たしているか・・という見方でも、企業は評価されるようになってきているのよ。

なるほど。じゃあ、コンプライアンスと内部統制システムとの関係はどうなのかなー。

内部統制システムは、企業の効率的経営や企業の誠実さを実現するために必要な企業の制度・組織、手続等の総称とみたらどうかしら。企業の社会的責任を果たすために、コンプライアンス(倫理法令の遵守)、市民や社会にとって価値ある事業を継続するための収益確保、経営の透明性や誠実さ・社会の要請への取組み、社会にとって価値ある文化創造に寄与していく。といったことが段階的に求められるのよ。

企業統治の機能やコンプライアンス経営において必要なリスクマネジメントの手段という記事もみたことがあるなあ…。

そうね。企業不祥事を未然に防ぐために、会社の現状を把握して、隠れている問題点を発見し、経営者自らが是正するための仕組みをつくって、それをさらに継続、発展させていく取組みが内部統制なのよね。

企業価値を高めて生き残っていくためにも、内部統制システムが機能してコンプライアンスが確認・実践されていなければ、まずいわけですね。

そうです。どの企業も、いちはやく手をつけてください!ってかんじです!!

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