第一法規株式会社|教育研修一覧

2004/07/29号

~タダより高いものはない?!~の巻

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概してパソコンソフトはとっても高いです。そんな中、欲しいと思っていたパソコンソフトを持っている人を見つけたとき、「コピーさせてくれないかな…」と思ったことはありませんか?でも、ホントにコピーしてしまうと、もっと高くつくことに…。

あれ?べっきぃのパソコンって、新発売したばっかりのホームページ作成ソフトが入ってんの?

昨日の発売と同時に部の経費で買って、部で一台、私のパソコンにだけ入れてもらえることになったんですよ!「コンプライアンス推進室」サイトの更新作業があるんで。

へぇ、いいな~。あ、暇なときでいいからさ、俺のパソコンにもついでに入れといてよ。

!!!!!…ふ~ん、そんなこと言っちゃっていいんですかぁ~?!

な、なんだよ?

き~ん~の~くん!!コンプライアンスの基本がまだ身についていないようね!(怒)

げげ、ゆき先輩!!(今日はなぜかこわいっす…)

ソフトの無断コピーは、著作権法違反でれっきとした犯罪行為だって、今や常識でしょう!!パソコンソフトは、著作権法によって著作物として保護されていて、たとえ購入者であっても、バックアップのため等正当な理由のない限りは、複製することもできないの。著作権侵害では、最大で3年の懲役又は300万円の罰金を課される可能性があるのよ・・・。コンプライアンス基礎知識である、ソフトの無断コピーに対してそんな認識なんて、私たちの指導がまだまだ行き届いていないってことね…(泣)

そうそう。たとえ、会社が禁止していても、筋野さんのように、社員が勝手に無断コピーして使った場合、会社側も両罰規定で罰せられる可能性があるんですよ~。全く、筋野さんだけの責任じゃないんですから…(疲)

…すいません。

(筋野くんのピンチ!なんかフォローしてあげなくちゃっ!)まあまあ、筋野くんもちょっと言ってみただけよね?!でもそういえば、パソコンのソフトって、費用で処理できる金額のものが多いし、固定資産みたいにちゃんと管理できていない会社が多いんじゃないですか~?

そうね。違法コピーを防ぐためにも、固定資産と同じように管理責任者を決め、管理台帳を作成し、棚卸しを行ってしっかり管理しておくことが必要ね。管理台帳には、利用者(インストールしているパソコン)、ソフト名、購入かライセンス契約なのか、ライセンス番号、取得・管理・移管・除却・売却または貸与の日付、ユーザ登録の有無、そして管理責任者・担当者を書いておきましょう。棚卸しは定期的に年一回程度は行う必要があるわ。購入実績、管理台帳、実際インストールされているソフトについてきちんと確認しておきましょうね。

そういえば、筋野さんのいる販売促進部って、鍵のついていない棚にパソコンソフトを無造作に置いてません?

ぎくっ!

盗難の問題はもちろん、無断コピー防止の点からも十分注意するべきよ。誰でも簡単に持ち出してコピーできる状態で保管されていないか、気をつけなくてはいけないわ。

-----------------------次の日-----------------------

大変!!昨日ちょうど話していたあの話題。違法コピーをしていた友達の会社に、ソフトのメーカーから警告書が来て、「違法にコピーされたソフト名とその数を明らかにせよ」ですって!!

ひ~!!

それは気の毒だけどやむを得ないわね…。このような警告が来た場合、社内調査をきちんと行って、メーカーへ違法コピーの数を知らせた上で、損害賠償について話し合うことになるわ。

賠償…人数分買っちゃえば済む話じゃないんですね。

ケースバイケースだけどね。ある予備校が訴えられた例なんだけど、警告を受けた後きちんとソフトを購入したので、「違法状態」ではなくなった、と主張したの。でも、ソフトメーカー側は、ソフトを買ったからといって損害はなくなるわけではなく、さらに正規ソフトの2倍相当額を支払う必要があると主張したのよ。判決では、「購入自体によって違法状態がなくなったわけではない」としたんだけど、損害賠償金についてはソフトウェアの小売価格相当額が妥当であるとしているわ。これはちょっと難しい問題ね。

とにかく、普段からこういう問題が起きないよう、コンプライアンスについてきちんと勉強をしておくことが重要なんですね…(しみじみ)

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