第一法規株式会社|教育研修一覧

2004/08/31号

~CSRは熱い!~の巻

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CSR、CSRっと。なんだか最近やたら目にするこの言葉。これってなにか標準があるのかな?ちょっと調べてみる価値あり…か…。

ちょっと、べっきぃ!メルマガの読者様からCSRについて特集して、っていう希望が多いのよ。どう?

どうって!つき先輩こそどうですか!日頃のお勉強の成果を、いまこそ見せるときじゃないですか?(ふふふ~)

ななな……(なまいきな)。でもさ、CSRをきちんとやってます!っていえないと投資家の支援も得られないっていう時代になってきたことは確かよねっ。

それって、SRI(社会的責任投資)のことですね?CSR項目への対応や達成度を見て投資をするという投資手法。

そう。だけどさ、CSRっていうけど、一定の基準とかあるのかな?ここまでやっていればまぁ合格、みたいな。

んー、その考え方はどうなのかなー。

きゃ、ゆき先輩(助けてー)。つまりこれで合格!ってことじゃあないと?

そうね。だって、それぞれの企業によって使命が違うでしょう?規模も違うし、社会から期待されるものはそれぞれ違うはずよね。なのに、これで合格!のラインがひとつだったら、おかしいじゃない?

でもゆき先輩、基準がないと、企業のCSR推進担当者は大変でしょうね。指標みたいなものがあると、推進しやすいというのが現実じゃないのかなぁ。

たしかに指標というものがあったら、ゼロからスタートするときの支えにはなるかもしれない。それに、そういうものだったら、たとえば2004年5月に経団連が「企業行動憲章 実行の手引きの要点」を発表したでしょう?そこには、こういうときはこういう行動をとったらどうか、という例が50近く掲載されているし、これはひとつの指標といえるかもしれないわ。

なるほど。基準といえば、ISO(国際標準化機構)とかの動きはどうなんですかね?

つきちゃん、いい質問だわ、愛してる(笑)。ISOはね、じつは2004年6月の国際会議でSRIに関する国際規格を作ることが決定したのよ。でもこれは、認証用規格ではなくてガイダンス文書ね。

そのこころは…?

(笑)規格化については、企業でも賛否両論よね。規格化を推進してほしいという人もいれば、規格すること自体おかしいという人も。ただ、品質とか環境といったものは、対象がはっきりしていて第三者認証を伴う規格があるのはわかるけれど、CSRは範囲も広いしむずかしいわよね。それに、「これさえおさえておけば大丈夫」みたいな感覚が育ってしまったら、それはCSRではないと思うし。たとえば法律や規則を守ることは、判断もなにもなくて守ることは必須であって、これはコンプライアンスよね。でもCSRはもっと大きな概念で、コンプライアンスを超えて企業の判断や意志があるはず。

CSRって、奥が深い話ですね。規格とか基準とかより、各企業がそれぞれ考えていくもので、でも根っこにある思いは同じ、っていうかんじ。

大切なのは、その「思い」の部分だと認識していいんじゃないかしら。市場で生き残るためのCSRではなくて、地球と人間、人間同士、生物、そういうものたちの共存のかたちを考えていくCSRであってほしい。

そうですねっ!

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