毎日毎日新聞やテレビのニュースには、たくさんの犯罪が報道されています。犯罪というのは、当然法律違反なわけで、その法律には規律方法で4つの形式があるなんて、ご存知でした?あたりまえ?ほんとに?
あぁ……(深い深いため息)
(お。いきなりゆき先輩の登場だ!め、めずらしい!)どうしたんですか?ゆき先輩。すっごい深いため息ですね。
あのね……すごく言いずらいのだけれどね、私つかまっちゃったの。
ええっ!警察に?なにをしでかしたんですか?ゆき先輩が?信じられない。だめですよ、人を殴ったりしちゃ。
殴ってないわよっ!違うの、スピード違反しちゃったの。中央高速走っていてね、もう風になれそうでついつい気持ちよくて、そしたら「ウィーン」って、あの音が聞こえて。あとのことはよく覚えていないくらい、ショックだった。
あれあれ、ま、しかたないですね。法律違反だもん。しかし、先輩、気をつけてくださいよ。コンプライアンス推進室の一員として。
はい。すみません(小さくなる)
法律違反かあ。いったい、なにをしたらどの法律に違反するのかなんて、日常の行動の中ではあんまり意識しませんね。スピード違反はともかく。
(ううう、傷に塩を塗るやつめ)
法律の簡単な整理、ここでしてみましょうよ。はいはい、ゆき先輩、いつもの先輩に戻ってくださいよ。
はい(まだ、立ち直っていない)。では、法律の種類から。まず、国会で定める「法律」、内閣閣議で制定される「政令」、各省大臣命令で制定される「省令」、都道府県・市町村の議会で決定される「条例」などね。そして、法律の規律方法には4つの形式があるの。
4つ?あ、知ってますよ。ひとつは「行為自体を規制する形式」で、なになにしてはならないというかんじで行為の善し悪しなんかを指示する。ふたつめは「所有の形式」で、不動産とか、物や発明なんかをだれかの独占的な所有物だと決めるものでしょ。えーと、みっつめは……。
よーっしゃ!次は、「契約の形式」で、これは物の売り買いとか不動産の貸し借りみたいな取引には法律で裏づけされた拘束力が与えられる。最後は「不法行為の形式」で、交通事故とか製品事故とか、加害者が故意や過失で他人の生命や財産を損なった場合、その侵害行為が法律違反になる、と。
ふたりとも、ちゃんと整理できているじゃない。すごい進化!この整理はね、今後コンプライアンスに取り組む人には、基本になるのね。規律方法の違いで、コンプライアンスの取り組み方がいろいろ考えられるから。だって会社にいたら配置転換もあるし、そうしたら仕事も変わるし精通すべき法律も変わる。いろんな法律の知識があるってことはとても重要ね。とくに統括的立場にいる人には基本くらいは頭に入れておいてほしい。法律ってパズルみたいなものだから、こうやって丁寧に積み上げていけば、必ずわかるようになるのよ。4つの形式ではそれぞれ刑罰も違うし、それもきちんと頭に入れておいてね。
はーい。で、ゆき先輩、罰金はおいくら?
(絶句)
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