NPO・NGOって、よく聞くけれどその実態がよくわからない?!企業の社会的責任を考えるとき、NPO・NGOの存在は外しては考えられない。いったい、どのような関係がのぞましいのか、今日もコンプラ推進室では、みなが議論するのであった……。
つき先輩、このまえの日曜日、私ね渋谷でごみ拾いしたんですよ!タバコの吸殻とか、お菓子の袋とか、そりゃもう、あるわあるわ、すごかったー。(げんなり)
どうしたの、べっきぃ。心を入れ替えたの?(笑)たしかに、渋谷とか新宿とか、すごそうな気はするが……。あ、あんたもしかしてナンパが目的か!
(横目で受け流す)ほんと、つき先輩、いい加減本当の私に気づいてくださいよ。ちゃーんとボランティアでやったんですから。もともと母がNPOに参加していて、このまえ一緒に行ってみたんですよ。環境のこととかすごく考えていて、勉強にもなったなぁ。
えっ!あら、べっきぃってそういう人だった?!熱あったんじゃないの、日曜日。NPOって、なんかたくさんあるみたいだけど、いまいちイメージがつかめないんだよね。
そうね、それは多くの人の本音でしょうね。
おっと、ゆき先輩だ!
NPO法人は増加していて、いまや認証を受けた法人の数は1万7000以上にもなるのよ。でもね、実際に活動しているNPOはその全部というわけではなくて、実際には名前だけの幽霊団体もあって、「うさんくさい」って思っている人も多くいると思うのよ。でも、これからはNPOやNGOの存在が、いま以上に社会や企業に影響を与えていくと思うわ。
ひゃー!そんなに数が多いとは、知らなかったなー。でも、すごいことですよね。だって生活の糧のために働くんじゃなくて、社会のために活動するんですよね?そういう人たちがそんなに多いなんて、驚きですよね。
あたしゃ、自分のことで精一杯ですよ。とほほ。
(無視)でもね、このNPO・NGOの存在は、実は、私たちがいつも考えている「企業の社会的責任」つまりCSRと深いかかわりがあるのよ。
どういうことでしょうか?
NPOと企業は、パートナーとしての存在になりつつあるの。欧州では、NPOやNGOの企業や社会に対する影響力は行政より強いといわれているし、市民からの信頼がとても篤いの。政府の政策への提言もかなりしているし実際それが生かされる。個別の企業というよりも社会のシステムの中での存在感がすごい。日本でも、NPOやNGOが社会貢献活動のパートナーだという認識がだんだんと浸透してきているわ。CSRが叫ばれている中で、ますますその存在は大きくなっていくに違いないわ。
最近の日本では、どんなパートナーシップの例があるんでしょうか?
そうね。松下電器産業がグリーンピース・ジャパンと一緒にノンフロンの冷蔵庫を開発したわ。それから、リコーでは、NGOの意見を聞いてCSR憲章を作成したの。損保ジャパンや日産自動車がNGOと一緒にCSRレポートの読書会を始めたり。ほかにもたくさん事例はあるわよ。
なーんか、いいですね。企業と市民が一緒になにかを作ったり考えたりするのって。すごく健全なことのように思うなー。
あらっ!つき先輩こそ、熱でもあるんじゃないですか?まともな発言してますよ。
あたしゃ、いつだってまともさ。
(また無視)いよいよ、日本のCSRもね、「マルチ・ステークホルダー・ダイアログ」の時代に入ってきたということだと思うわ。
マ、マルチ?なんですか?
ふふふ。では、それについては今度ゆっくり考えましょうよ。でも、それまでに少し自分でもお勉強しておいてね。あ、べっきぃもよ、当然ながら。
げ!あ、はーい!!
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