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2005/02/21号

~熱男部長の育児休暇~の巻

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「日本の将来推計入口」(国立社会保障・人口問題研究所)によれば、2006年をピークに日本の総人口は減り続け、2050年には1億59万人になるだろうと言われているそうです。少子化が社会問題となっていますが、子どもを育てながらも生き生きと働ける職場環境は少子化問題に関わらず必要だと思いませんか?

そういえば、最近熱男部長を見かけないよね。

今、育児休暇中です。

ええええ~!?熱男部長が育児休暇~??父子家庭だっけ??

違いますよ。

むむむ、全然わからない・・・。

なんでわかんないのよ!(怒)

ひょえ~、ゆき先輩!

いまや、男性が育児休暇を取るのは、不思議なことでもなんでもないわよ!

次世代法が4月から施行されますし、今後はもっと男性社員でも育児休暇を取る方が増えるでしょうね。きちんと育児参加している熱男部長ってやっぱり尊敬できる。

???ジセダイホウ?

次世代育成支援対策推進法のことよ。昨年7月に国会成立、今年4月に施行になるの。この中で、各自治体と、従業員301人以上の企業は今年度中に仕事と家庭の両立を支援する具体的な「行動計画」を作成して、4月1日以降すみやかに届出書を事業所の所在地を管轄する都道府県労働局へ届け出ることが義務付けられているのよ。ちなみに、従業員300人以下の企業は努力義務ね。行動計画には、「計画期間」「目標」「目標を達成するための対策とその実施期間」が必要ね。行動計画策定のための指針が告示されたんだけど、その中に様々な取り組み事項が示されているわ。各企業の実情に応じて働く人たちの要望をよく踏まえた上で策定することが大事ね。

平成14年度の時点で育児休業の取得率は、男性0.33%、女性64.0%!それを、男性10%、女性80%にまで引き上げるのが国の目標になってるんです。「家庭よりも仕事を優先する」というこれまでの働き方を見直すことに本格的に取り組むとしているんですよね。

取得率の数値目標を達成するとなると、結構大変そうだよなあ。

男性も育児休業を取得できること、育児休業中の待遇、休業後における賃金、配置その他の労働条件について社内に周知徹底したり、育児休業を取得する間の代わりの労働力の確保、業務内容や業務体制の見直しの実施などを行う必要があるわね。

育児休業を取った後、復帰してからが大変という話をよく聞きます。復帰したら仕事が変わってしまったとか。結局育児と両立できなくて辞めてしまったとか。

育児休業が終わっても、原職または原職相当職への復帰ができるよう業務内容や業務体制の見直しを行うことも必要ね。また、事業所内託児施設の設置・運営について、他の企業と合同で設置することを含めて検討したり、ベビーシッターの手配及び費用負担などの援助の検討も挙げられるわ。

子供が病気になったとき、検診や予防接種のときに取れる休暇や、学校行事への参加のための休暇制度を導入するといった取り組みもあるみたいですね。

海外ではワークシェアリングの考え方が進んでいますよね。

そうね。短時間勤務や隔日勤務、ITの利用によって場所や時間にとらわれないテレワークといった働き方も促進されているわ。

子供が保護者の働いているところを実際に見ることかできる「子供参観日」を取り入れる、なんて取り組みもオススメですね。

次世代認定マークって知ってる?雇用環境の整備について適切な行動計画を策定したこと、その計画に定めた目標を達成したことなどの一定の要件を満たすことで都道府県労働局長から認定が受けられ、認定された企業は、広告や商品にそのマークが利用できるの。次世代育成支援対策に取り組んでいる企業であることをアピールすることで、企業のイメージアップにもなるし、社員のモラールの上昇や、優秀な社員の定着などが期待されているわ。

認定を受けるための要件とはどのようなものなんですか?

<1>雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な行動計画を策定したこと。
<2>行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること。
<3>策定した行動計画を実施し、それに定めた目標を達成したこと。
<4>3歳から小学校に入学するまでの子を持つ労働者を対象とする「育児休業の制度または勤務時間短縮等の措置に準ずる措置」を講じていること。
<5>計画期間内に、男性の育児休業等取得者がおり、かつ、女性の育児休業等取得率が70%以上だったこと。
<6>次の(1)~(3)のいずれかを実施していること。
 (1) 所定外労働の削減のための措置
 (2) 年次休暇の取得の促進のための措置
 (3) その他働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置
<7>法及び法に基づく命令その他の関係法令に違反する重大な事実がないこと。
となっているわ。

取り組みの大切さはわかるんだけど、企業にとってはお金のかかる話だよなあ。

国などが行う支援制度が有効活用できるわ。例えば、財団法人21世紀職業財団では、仕事と育児の両立支援に関する次のような助成金等を支給しているの。
<1> 育児休業取得促進奨励金
<2> 育児両立支援奨励金
<3> 育児休業代替要員確保等助成金
<4> 看護休暇制度導入奨励金
<5> 事業所内託児施設助成金
他にも様々な助成制度や研修制度があるから、関係機関に確認してその企業にあった支援制度を活用するのがポイントね。

よ~し!将来子どもが生まれたら、俺も育児休暇をとろうっと!!

ふふふ。その前に相手を探すのが先でしょ。

・・・(絶句)

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