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2005/04/19号

~公務員もコンプライアンス~の巻

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国家公務員倫理規定が平成17年4月1日から改正されました。これは、国家公務員と民間業者らの付き合い方をルール化したものです。今日はその、公務員倫理について学びましょう。

いやぁ、飲みすぎた。

またですか…(呆れ顔)

昨日は夜遅くまで“接待”だよ!

最近は利害関係のある取引先に接待や贈答を禁止している企業も増えているんですよ!

あう…。まぁ、“接待”じゃなくて“遊び”みたいなもんだな、うん。

(さっきは接待って…ま、いいや)そういえば、筋野さん!新しいプロジェクトの中心メンバーに大抜擢されたって聞きましたよ。

珍しく早耳だな。そうなんだよ、俺もなかなかやるだろ?でも、そのプロジェクトっていうのがさぁ、某省庁と絡む、なかなか難しい内容なんだ。

筋野さん、珍しく弱気じゃないですか。

公務員には俺様お得意の“お酒攻撃”が通用しないからなぁ…。あ…待てよ…。金銭に関係しなければいいかな…。

当然でしょ。公務員の職務に対する不法な報酬としての利益を「賄賂」っていうのは知っているわよね?

もちろんです!

賄賂の中身は金銭に限らないの。有形、無形を問わず、人の必要や欲望を満たすに足る一切の利益を含むとされているのよ。だから、人間の「金銭欲」「物欲」「食欲」「性欲」等の欲望を満足させるものすべてが対象になるってわけ。

じゃぁ、こういう場合はどうなるのかな。公務員の友人が結婚するから、そのご祝儀をあげる…。

それはOKよ!賄賂はあくまでも公務員の「職務に対する」不法な報酬としての利益を言うの。だから、職務とは関係のない親戚関係や学生時代からの友人関係等、利害関係人であっても、私的な関係に基づいて出されたことが明らかな場合は、国家公務員倫理法違反にはならないわ。

じゃぁ、こういう場合は?公務員に職務として出席して頂く会議で、コーヒーとお茶菓子を用意する…。

それもOKね。社会的礼儀として社会常識的に認められる範囲内のものであれば、賄賂とはならないわ。ただし、お歳暮、お中元、餞別等の形をとっても、贈った目的が公務員の職務に関する行為の対価であれば、賄賂になるからアウトよ。

そうそう、今年の4月1日から国家公務員倫理規定が改正されたんですよね。

勉強してるわね、感心、感心。公務員が規定を重視しすぎて極端に外部との接触がしづらくなっている…という指摘があって、改正されたようね。

今までの規定では、割り勘でもゴルフや旅行は禁止し、1万円を超える飲食を伴う夜の会合は、事前に監督者の許可が必要など厳しい内容でしたよね。

そう、今後は、利害関係者との割り勘による夜の会合で、自己負担が1万円を超える場合は、監督者へ届出が必要という内容に変更されたわ。これで会合が少し行いやすくなるのね。もちろん利害関係者による供応接待は従来どおり金額にかかわらず禁止よね。

そっかぁ…。会合がしやすくなる…でもなんか不安だな。最近、公務員のカラ残業やスーツ支給等、信じられない報告がずいぶん明るみになっていますよね。もっと早くわからなかったのかなぁ。

そうだよな。常に市民が監視しているという意識が不祥事再発防止になるかもしれないな。

公務員だけでなく、引き続き法令を遵守しましょうね。

筋野さん、こうなったら実力で勝負するしかないですね。

そうだなぁ…。毎回会議で高級な○○産コーヒーを淹れてアピール…どうかな。

…。

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