第一法規株式会社|教育研修一覧

2005/06/08号

~花より談合?!~の巻

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大阪府土木部発注の指名競争入札で談合を繰り返していた…、鉄鋼製橋梁工事をめぐる談合等、新聞紙上を賑わせている“不正な談合”。「犯罪だ」とわかっていても、悪しき慣例からなかなか抜け出せない企業も多々あるのかもしれません。ですが!!会社のために個人が関わった場合は、たとえ業務命令であってもそれは立派な犯罪です。もちろん会社も個人も罪に問われます。今回は、いまさらですが「談合」について学んでみましょう。

最近「恐竜団子(キョウリュウダンゴ)」っていうのがTVや新聞を独占してるよなぁ…。(おっうまくかけられたぞ!)

(完全無視)はいはい。「橋梁談合(キョウリョウダンゴウ)」のことですね。こうも談合事件のことが毎日取りざたされると、我々の税金は何のために利用されているのか腹立たしくなりますよね~!(怒り爆発)

まぁまぁそんなに怒りなさんな。ドードー…。はい、ドードー。我々国民に直結する問題ってことは・・・税金か!

That's right! もう一度整理してよ~く考えてみましょ。まず…「談合」といってもすべてが犯罪となるわけではなくて、「公正な競争を害する目的」か「不正の利益を得る目的」の場合に、独占禁止法に違反するんですよね。加えて「談合罪」が成立!

例えば…某役所が、新しく役所を建て直したい。工事は一番安くできる会社にお願いしよう。と考えている場合、建設会社の人々を集めて、いくらで工事ができるのか、金額を書いた札を箱に入れてください!と呼びかけます。これが競争入札ですね。会社は、できるだけ高い金額で仕事が決まって欲しいと思い、役所は、できるだけ安くあげたいと思うのが普通…。ところが!「不正な談合」が行われると、高い価格で工事が決定してしまうんですね。

A社、B社、C社が相談して、「今年はA社に仕事をさせよう。だから我々B社、C社は金額を高めに書きましょう。A社はこの金額よりちょっと低めに書けば、決定するから儲かりますよ。その代わり来年はわがB社ということで…」という裏工作をした場合・・・。

この場合、入札者全員で約束したんじゃなくて、一部の人達だけが約束した場合でも、原則として談合にあたるんだよな。

あとは、こんなケースもあるわ。

あ、ゆき先輩!自然な入り方で…。

役所は、本来、仕事を頼む会社には金額は秘密にすべきよね。だって、国民の税金なんだから、金額は内緒にして、会社に競争をさせることで、安く工事をしてもらうべきでしょ。ところが!「役所の人間を再就職させるから」とか、「金額を教えてくれたらお礼に数百万あげます」な~んていう甘い言葉にのせられて、つい金額をしゃべっちゃうケースがあるのよ・・・。

確か、一番安い金額を書いた会社に仕事を依頼することが決められているんですよね。だから・・・A社が50億、B社が51億、C社が52億って札に書いた場合、本来だったら20億でできるかもしれない仕事でも、A社の50億に決定しちゃうってことですよねぇ?“競争”することがないから、高くなる…。

高くても税金だからいいや!税金を無駄遣いすることで自分達の利益が確保できればいい!なんていう考えは許されないのであります。オッホン!

自由経済は、企業にとっては、競争に強くなり、生き残れる。我々消費者にとっては、安価でいい品が手に入る。両者にとっていいことですもんね!

そう。ところが、こういう不正競争が行われ続けると、価格があがっても歯止めはきかなくなるし、サービスも悪くなることになりかねないわ。

2001年に独占禁止法が改正されて、談合の疑いがあれば民間人も差し止め請求や損害賠償請求ができるようになったんですよね!

だから、最近では住民が違反企業に損害賠償を求める訴訟も増えているの。2003年1月から施行された「入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律」では、国や地方公共団体の担当者が直接・間接的に関与するいわゆる「官製談合」について、関係した公務員に対する制裁が明確になったことも付け加えておくわ。

なんだか根深い問題ですよね…。そういえば、2005年4月からさらに独占禁止法が改正されたんでしたっけ?

おおっ!筋野君、やるじゃない!課徴金制度の引き上げ、課徴金減免制度の導入、犯則調査権限の導入、審判手続きの見直し…と主要なポイントはここを見て勉強してね。

上司や処遇に不満な社員による内部告発によって、談合が明るみに出ているケースも増えているそうですよ!

談合が企業の努力だけで根絶できないことも否定できないけれど、社員個人にとっても会社にとってもよ~く考えれば割に合わない“違法行為”なんだからハッキリ「NO!」といわなきゃ!「NO!NO!ノ~ン!!」

NOといえる日本人・・・なつかしい・・・。

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