新会社法では、大会社の取締役会は内部統制の基本方針を定めるって義務化されたよね?これって監査役がばっちり監査することになると思うけど、監査ってどんなことなんだろう?
このまえ、「内部統制」ってことばをゆき先輩に教わったけど。それで、COSOレポートなるものも勉強しちゃったりしてみたけど。
けど、どうしたんですか?
そもそも、内部統制って誰がどんなふうに決めたり修正したりするのかなー。誰?監査役?
そういえば、最近「監査」っていう言葉がニュースで頻繁に耳に目に入ってきますよね。内部統制と監査、どちらもすごくむずかしい言葉のように聞こえますけど、どうなんでしょう?
もっとシンプルに考えましょうよ。こわがらないで、むずかしく考えないで。
待っていたんですぅ、ゆき先輩!!
まず、定義から確認しましょう。以前、内部統制とは「経営そのものである」という話しをしたわよね?もっというと、経営の戦略を実現するための仕組み、それが内部統制システムよね?
ふむふむ。
では、内部監査とはなにか。日本内部監査協会の内部監査基準によると、「組織体の経営目標の効果的な達成に役立つことを目的として、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、経営諸活動の遂行状況を検討・評価し、これに基づいて意見を述べ、助言・勧告を行う監査業務、および特定の経営諸活動の支援を行う診断業務である」と定義されているわ。
や、やっぱりむずかしい・・・。
そんなことないってば!内部統制が仕組みなら、内部監査は、その仕組みが目的に沿って有効に動いているかの監視、ってことじゃないのかな。となると、内部監査で重要なことが思いつかない?
だいたい、なにかを監視するっていうと、ひそかに誰にも邪魔されずに任務を遂行するっていうイメージがあるなぁ。
時代劇の見過ぎ?いや、でもいいところをついている!「ひそかに」「誰にも邪魔されずに」、というところを「独立した組織(部署)」が「客観的に」「公正に」と言い換えることが可能だものね。
具体的にはどういうことですか?
内部監査の機能は独立した組織とすること、自律した活動とすること、取締役会、監査役会・監査委員会への報告経路を確保すること、などなど。
でも、こういう仕事って、高い水準をいつも保っていないとならないですよね。どうやって水準をキープしていくのかな。大変そうだなー。
私にはできそうもありません・・・。
高い水準を一定に保つには、やはり品質管理の基準みたいなものが必要ね。だから、内部監査の活動そのものの品質管理プログラムを持つべきよね。それに、法改正やさまざまな事件の影響もあって、監査というものには、これまで以上に専門性が求められると思うわ。
うううむ。大変な仕事には違いないけど、企業活動には絶対に必要な役割ですね。
そうよ。それに、内部監査の能力には組織として限界がある、というか「これで万全!」ということはないのだから、専門家を頼むことだって大切よね。
なるほどー。
でもね、一番重要なことは、どんな立派な仕組みを構築しても、現場のわれわれみたいな社員に業務プロセスに対する改善の気持ちや、不信なものに対する敏感な感性がなかったら、システムは動かないのよ。だから、監査の役割は、そのフォローアップの部分がとっても重要だと私は思っているの。
フォローアップ?
そう。監査の結果、たくさんの改善案が出るわけでしょう?その改善がきちんと実施されているかの確認するフォローアップ。監査、改善提案、フォローアップ、こういう流れが延々と続いていくのよ。
会社って、こういうふうにして、存在し続けるための最大限の努力がはらわれているんだ、って思うとすごいですね!
そうよ。またそうしなければ、存在し続けられない、ってことかもしれないわ。
深いー!!
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