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2005/11/11号

~内部統制とマネージャー~の巻

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2008年の日本版SOX法(企業改革法)の導入も予定されているいま、書店でも「内部統制」を題材にした本がたくさんみられるようになってきました。でもいくら立派な仕組みを構築しても、企業は現場があってこそ!現場のマネージャーは、なにに気をつけたらいいの?

きのうも書店に寄って帰ったんですけど、新刊て、見ているだけで幸せな気持ちになりますよねー。うきうき。私ってやっぱり本好き!

そんなこと言ったら、俺だって好きだぜ。俺もきのう本屋に寄ったよ。もう、ほとんど毎日だよ。

最近は仕事のために、ちゃーんとビジネス書もチェックしているんです。私も成長しましたよねー。うふ。でね、最近とっても目にとまるのが、「内部統制」を題材にした本なんです。激増していますよね。ね、先輩?

え、えーと、そ、そうだよな。

あ、ビジネス書のチェックしていないわね?筋野くん。

あげっ、するどい。ゆき先輩だ!

ゆき先輩、内部統制って、仕組みのことですよね?書店で見ていたらほとんどが、その仕組み作りの話しや、概念の歴史の説明でしたよ。

そうねぇ。以前、内部統制は経営そのもの、っていう話をしたわね。仕組みという言葉を使うなら、会社の経営戦略を実行するために必要な仕組み、っていうことといえるかな。

なるほどー。

あー、俺、そういう話は苦手なんで、ちょっと失礼して……。

こら。待て。あなたね、あなたにこそ、正しく理解してもらって日々の業務で意識してもらわないと、内部統制なんて絵にかいた餅になっちゃうのよ。

うううー。そうなんですかー。

そーよ。いくら担当者がきれいな仕組みを構築しても、それを動かしていくのは、現場でしょう?肝心の現場が理解していなかったら、だーめなの!

ふふふ、筋野先輩が怒られてるー。かわいーい。

(無言……)さ、一緒に考えてね。現場、とくに現場のマネージャーにとって内部統制の第一歩は、なんでしょう?

んーと。この前のゆき先輩の説明には、リスク管理、っていう言葉が出てきていたよな。リスク管理って、なんか難しい言葉のようだけど、ま、不正の防止ってことだよな?と、すると……んー……。

あら、いいわねー。その調子よ!とってもいい視点よ。

では続きは私が。不正防止、という視点で現場のマネージャーの重要な役割を考えてみると、その業務プロセスにどんなリスクが潜んでいるのかを知ることが、まず大切ですよね?

そうよ!素敵!そのとおり!実はそれがとても重要で、かつ意外にどういう視点をもてばいいのか、わかっていない人が多い。日々の業務のどこにどのようなリスクがあるのか、それをわかっていないと、漫然とルーティンをこなしているだけになってしまって、実は不正のリスクを見落とすということになるわね。内部統制組織においては、マネージャーがもっとも重用なポジションにあるのよ。だって、内部統制組織の仕組み構築については経営者の責任だけれど、運用はあくまでも現場。そしてその現場をあずかるのがマネージャーなんだから。

業務マニュアルどおりに業務が遂行されているかのチェックということ?

それも重要。でも、そのまえに業務マニュアルの真の意図を理解していないとだめよね。

奥が深いですねー。でも内部統制って、そう考えると本当に大切!絵に描いた餅にならないように、ちゃんと運用しなくちゃ!!!

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