第一法規株式会社|教育研修一覧

2005/12/22号

~補助金を貰ってもいいの?~の巻

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補助金とは国や地方公共団体などが、事業や研究の育成など、公益上の必要に基づいて交付する、返還の必要のない金銭給付のことですね。でも、この制度を悪用しようとする人たちがいっぱいいます。 軽い気持ちで考えたその受給案も、「不正」?!

きのう、伯父が私の父のところに事業の相談に来ていたんです。なんだか資金繰りが大変そうなんですよねー。年の瀬に、つらい話……でも、うちの父も、してあげられることがないって言っていて。ぐすん。

そっかぁ。大変だよね、ひとつの会社を経営していくってことはさ、ほんと、大変な苦労があるんだろうな。

そうみたいです(きょうの筋野先輩は妙に優しい!)なんとかできるものならしてあげたいですが。

あ!いいこと思いついた!国の補助金とかさ、ああいうの申請すればいいじゃん!

ほお。国の補助金て、申請すれば貰えるのでしょうか?だとしたらいいですね!

そうだよ、貰っちゃえよ!なんか適当に理由書いてさ。

こーらこーら、筋野くん。なんてこと言ってるの!

うわー。また怒られそう…。

「また」って、なによ?補助金はそんなに簡単に貰えません。しかも、「適当」に理由を書くなんて、絶対にだめです。

そんなに審査が厳しいのでしょうか?

まず認識すべきなのは、国の補助金ということは、その財源が私たち国民の税金であるってことよ。それがそんなに簡単に交付されていたら、私たちは怒るでしょう?本当に必要なところに交付されないと困るでしょう?

はい、それはそうです。

あなたの伯父様も大変そうだけれど、嘘の申請をして補助金を受け取ってしまったら、あとでもっと大変なことになってしまうわ。

あのー、大変なことっていうと?

そうね、まず不正な手段で補助金の交付を受けることを「不正給付」っていうの。水増し申請とか虚偽申請とかね。それと、きちんとした手段で交付された補助金でも、当初の補助対象と違う用途で使用することを「他用途使用」というのよ。「不正給付」の場合は、詐欺罪として刑法の適用もありうるし、「補助金適正化法」上の罰則を受ける可能性もあるわね。「他用途使用」も、「補助金適正化法」上の罰則を受ける可能性があるわ。

罰則の内容って、どうなんですか?

厳しいわよ。「補助金適正化法」の罰則は、「不正受給」なら懲役5年以下、罰金100万円以下、補助金返還、両罰規定とか。「他用途使用」だと、懲役3年以下、罰金50万円以下、補助金返還、加算金・延滞金、両罰規定、かな。

う、う、うわぁ。

補助金は、申請の段階からしっかりと交付の条件や義務をチェックして、不正にならないように気をつけて。わからないことがあったら、その補助金を交付する機関に相談するのが一番いいわ。

安易に考えていちゃ、だめだなー。

そう、そういうことよ。うそつきは、ペナルティーを受けます!

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