株の誤発注のニュースは、まだまだ記憶に新しいですね?このニュースをもう一度おさらいして、自分の日々の業務チェックに役立てたいと思います。内部統制の視点で、おさらいしましょう。ひとごとではありません。
最近、世間じゃ株流行だよね。俺もさ、そろそろやってみようかって思ってるんだよなー。みちは、どうなの?やったことある?
な、ないですよぉ。だって、怖いじゃないですか。私には縁のない世界だと思って生きています!
だよなー。でもさ、面白そうでもあるんだよな。一度その魅力にとりつかれたら、もう引き返せない…ってかんじでさ!魔力だ!
(勝手にしてください)
怖いのは、自分の判断や読み、だけじゃないわよ。この間、株の誤発注があったでしょう?
あ、魔力ならぬ、魔女…いやいや、ゆき先輩!
(ひぇ~、言っちゃった言っちゃった、こわ~い)
(みち、心の声が聞こえているわよ)この誤発注の件、結局その代償は、400億円といわれているわよね。普段の業務の何気ない風景だったはずよね、注文を受けて、担当が端末のキーを叩く…。
400億円か。俺が10回くらい生まれてじいさんになるまで働いても、稼げないかも?
そうねぇ、そうかもねぇ。でも、金額はともかく、あなたの仕事にも同様の危険はたーくさん、潜んでいるのよ。わかっている?
えっ!大丈夫ですよ、なんてったって俺の場合、日々飛び回っているから、パソコンのキーボードにもあんまり縁ないしさ。
そういうことじゃありません。まず、自分の業務の過程で、慣れきってしまって、注意力が落ちている箇所はないかしら?この事件も、そういうことから始まっているともいえるのよ。端末に誤った数字を入れた担当者は、その数値の誤りを警告するメッセージを無視したの。せっかくのミスの防止策がまったく生かされてないわけよ。これまでだって、証券会社は大きな損害を出して来たの。そのときどきに、防止策が考えられて実行されているのに、忠実に実行しているのはシステムだけ。肝心の人間が、怠っているのよ。
つまり、今回の場合、株数が多くて警告メッセージが出たのに、これまで正しい注文でも警告が出てきたから、無視しても大丈夫だという妙な安心感があったというわけですね?
そのとおり。さらに、その後、ミスに気付いた証券会社からの注文取消作業を、東証のほうが受け付けなかったのよ。ここで取り消しができていれば、損害はもっと少なくて済んだのに。
そりゃ一体どうして受け付けなかったんだ?
新規の上場株の取り消しはできないシステム設計だったから。
(絶句)
さらに!証券側から東証に取り消しの依頼をしたのに、東証はね、断ったのよ。なぜか?ルールがないんだもの。どういうときに、取り消しが出来るのか、実はルールがないのよ。危機管理ができていないの。
聞けば聞くほど、こわい。
いますぐ、自分の業務プロセスを点検したほうがいいわ。私もやるから。ぼーっとして「いつものように」なんて気分でやっていると、とんでもないことになる可能性は、誰にでもあるの。危機はいつも自分のすぐ隣にある。
はいっ!まじで見直しますっ!
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