第一法規株式会社|教育研修一覧

2006/06/28号

~通信販売の広告~の巻

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通信販売の魅力的な広告文句についついつられてお買い物…。お店での対面販売とは違って、商品や請求などの情報は広告からしか得られません。広告を作成するうえで、どんなことに注意しなくてはいけないのでしょうか???

よっし~、見てこの通信販売の広告!「毎日10分、着るだけで5キロやせるサウナスーツ!14日で効果がなければ全額返金します!」だって。買ってみようかな。

へ~、いいですね~。結局ダイエットできなくっても損はないし。

ダイエットできないって意味??!!

ちちち、違いますよ(焦)…あれ?このサウナスーツ、知ってます!!友達が買ったんだけど効果がなかったって怒ってました。しかも、効果がなかった場合、無条件で返金してくれるように広告に書いてあったんですけど、結局は14日間の報告書やら、返金理由のレポートが必要だとか、かなり厳格な条件があったらしいですよ。

それは広告に問題があるといえるわね。

あっ、ゆき先輩!

通信販売は、お店での対面販売と違って商品や請求などの情報は広告からしか得ることができないから、消費者とトラブルを起こしやすいのよね。よって、広告には返品の条件など正確に記載されている必要があるの。サウナスーツを販売していた会社は、返金には厳格な条件を課しているにもかかわらず、その条件を広告に表示していないというのであれば、特定商取引法違反となってしまう可能性があるわ。

特定商取引法?

訪問販売、通信販売、電話勧誘販売など消費者トラブルを生じやすい取引について、トラブル防止のルールが定められているのよ。そのうち、通信販売の広告については、何を表示しなくてはならないか、細かく決められているの。

うちの会社では通信販売はやっていないから関係ないですよね?

例えば、ネット上で商品を販売していないかしら?ここでいう通信販売とは、新聞、雑誌、テレビ、インターネット上のホームページ(インターネット・オークションサイトを含む)などによる広告や、ダイレクトメール、ちらしなどを見た消費者が、郵便、電話、ファクシミリ、インターネットなどで購入の申込みを行う形の取引方法ね。これに「電話勧誘販売」は含まないわ。

広告にはどんな内容を表示しなくてはならないんですか?

基本的には下記の14の項目ね。
(1) 商品・サービスの販売価格、送料
(2) 代金の支払時期、方法
(3) 商品の引渡時期、サービスの提供時期
(4) 商品の引渡し後の返還に関する事項(返還できない場合にはその旨)
(5) 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
(6) コンピュータを利用して広告をする法人は、販売業者代表者または通信販売の責任者の氏名
(7) 申込期限(申込みの有効期限があるとき)
(8) 販売価格、送料等以外に購入者が負担すべき金銭があるときは、その内容とその金額
(9) 商品に隠れた欠陥等がある場合で販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
(10) ソフトウェア取引については、その動作環境
(11) 特別な販売条件(商品の販売数量の制限など)があるときは、その内容
(12) 請求によりカタログなどを別途、有料で送付するときは、その金額
(13) Eメールによる広告には、事業者のメールアドレス
(14) 相手方の承諾なくEメールによる広告を送る場合は、メールの件名欄の冒頭に「未承諾広告※」

小さな新聞広告なんていう場合、こんなにたくさん載せられない気がしますが…。

そうね。広告スペースは大小様々なので、すべて表示することは無理がある場合があるわね。その場合、これらの事項を記載した書面 (インターネット通信販売においては電子メールでもよい)を消費者から請求があった場合、遅滞なく提供できるような措置を講じていることを広告に記載していれば、表示を一部省略することができるようになっているのよ。もちろん実際に請求があった場合、遅延なく提供できることが大事。

なるほど~。

また、特定商取引法は12条において、通信販売に関して「誇大広告の禁止」を定めているの。事実と著しく異なる表示、または実際のものより著しく優れていると誤認させるような表示のことね。「毎日10分、着るだけで5キロやせる」なんて、実際より簡単に減量できるかのような表示は誇大広告となるおそれがあるわね。

むむむ。やっぱりやせるために楽しようって方が無茶なんですよね~(苦笑)

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