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2006/07/12号

~休日出勤のからくり~の巻

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本来休暇予定日に働いたから、この日を休もう、差し引き0だから大丈夫!
なんて単純に足し算や引き算で労働日を計算していませんか?本来の休暇規定にはちゃんとしたルールがあるのです。

たなやん、俺この前の日曜出社の分の振替休日使って明日休むから。しっかりと俺の分まで業務をこなしてくれたまえ!

はーい。…って、明日納品のアポが5件もあるんですよ!?なんでわざわざ明日休むんですか。来週取って下さいよー。

んー、でもなぁ、明日取らないと4週間に4回以上休日をとらなきゃいけないっていう法律があってだね。それにひっかかってしまうのだよ。

そんなー…。筋野さん、それほんとですか?飲み屋で誰かに入れ知恵されたとかじゃないんですか?

でも、今回は筋野君の言っていることの方が正しいわね。

あ、ゆき先輩!

労働者の休日については、毎週少なくとも1回の休日をとるか、4週間の間に4回以上の休日を取らなければならないのよ。ちょっと筋野君の出勤状況は褒められたものではないわね。

そもそも、労働基準法上では、1週間の労働時間は40時間を越えてはならないし、同様に1日の労働時間は8時間を超えてはならないとされているんです。このような法定労働時間は週休2日制を考慮して決められていると言われていますよね。

そう。しかも休日出勤は賃金の割増にも違いがあって、事前に他の労働日を休日に振り替えてから休日出勤した場合と、休日出勤した後に他の労働日を休日に振り替えた場合とで、変わってくるの。ちなみに前者は割増の必要がないけど、後者は必要となってくるのよ。

なにー!割増になるんですか!?

落ち着いて(笑)でも、そもそも休日出勤は使用者が労働者に対して強制はできないのよ。例外として労使協定のある場合は認められているけど。

使用者が労働組合と書面による協定を行って、行政官庁に届けることによってその協定に従った休日労働をさせることができるんですよね。この協定では
1.休日労働をさせる必要のある具体的事由
2.業務の種類
3.労働者の数
4.一定の期間について労働させることが出来る休日および有効期間の定め(労働協約による場合を除く)
を置く必要があるんですよね。

さらに言うと、それは労働基準法上の刑事免責手続きね。民事上の義務を生じさせるためには、さらに労働協約、就業規則、労働契約のいずれかに休日労働の義務規定を設けておくことが必要よ。

ふーむ、勉強になります。

さっきゆき先輩の話の中で出てきた、労働日を休日に振り替えてからの場合と、休日に振り返る場合も、勘違いしている人が多いですが、『休日振替』と『代休』っていう違いがありますよね。一概に 『休日振替』としないよう、どこからが『代休』なのか、混合しないよう注意が必要ですよね。

休日労働の場合は、通常の労働時間の計算額の3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなくてはならないんだけど、それもちゃんとその違いを踏まえて支払いの義務があるか確認することね。1週間をどこから数えるか等、きちんと管理する必要があるわね。

おー!!今夜は焼肉だー!!

なんかCMでみたような…。

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