どこからどこまでがセクハラなのかわからない、同じようなことをやっているのにセクハラと言われるときとそうでないときがある、そんなことで目くじらを立てていては人間関係が保てない…セクハラは個人的なトラブルと思いがちですが、ミソなのは、「働きやすい職場環境を保つ」という会社としての責任です。
みちって、今何年目だっけ?
もうかれこれ5年目ですよ~。当初は、メンバー紹介ページでも初心者マークをつけていたのに、早いもんですよね~。
5年目か~。そろそろ結婚しないの?
(絶句)ほっといてクダサイ…。
あらら、あんまり度が過ぎると、セクハラだって言われちゃうわよ。
あっ、ゆき先輩!え??ちょっと待ってくださいよ!!俺、そんなつもり全然ないんですけど…。
わかってるわよ(笑)もちろんなんでもかんでもセクハラだって注意するわけではないのだけど、あなたたちの上司としては、みんなが働く上で、不快な思いを感じないように、職場環境に保たなくてはならないのよ。
どういうことですか??
一度セクハラについて基礎からおさらいしておきましょう。まず、セクハラ=セクシュアルハラスメントとは、職場などにおいて相手の意に反する性的な言動で、仕事をするうえで不利益をあたえたり、職場環境を悪化させることね。
2種類に分類されるって聞きました。
そのとおり。1つは「対価型」。つまり、職場において行われる性的な言動に対する相手方の反応によって、相手が職場で解雇、降格、減給などの不利益を受けるような嫌がらせね。
たとえば、
・社長が部下に対して性的な関係を要求したが、拒否されたため、解雇する
・出張中の車中において上司が部下の体に触ったが抵抗されたため、不利益な配置転換を する
・営業所内において所長が日頃から部下の性的な事柄について公然と発言していたが、抗
議されたため、降格する
などは、典型的な例ですよね。
確かに上下関係を悪用するのはまずいよな~。断わりにくいだろうし。
そうね。もう1つは「環境型」。これは、相手の意に反する性的言動により、職場環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど、その労働者が就業する上で見過ごせない程度の支障が生じることね。
環境型にもいくつか種類がありますよね。たとえば、
・ 給湯室において上司が部下に対して抱きついてきたため、出勤するのがつらくなっている。
(身体接触型)
・ 同僚が取引先において「性的にふしだらである」などの噂を流したため、苦痛に感じて取引先に行くことができない。(発言型)
・周囲が抗議しているにもかかわらず、オフィスにヌードポスターを貼っているため、苦痛に感じて業務に専念できない。(視覚型)
などがあげられます。
まあ、こういうことは個人的に気をつけてるからな。自分のことは自分で気をつけるから大丈夫。
もちろん個人で責任ある行動をするのが前提だけど、会社は社員業務上で他人に加えた損害を賠償する責任(使用者責任)を負っているの。被害を被った社員に対して、直接の加害者とともに、会社も連帯して損害賠償を負わなければならないのよ。
やばいな…それは。
(笑)会社も、セクハラを許さないことを雇用管理の方針として、明確にし、これを周知・啓発することによって、職場環境や慣習を変えることが重要なの。
また、セクハラが発生した場合だけでなく、未然の防止対策として、相談・苦情窓口を明確にし、社員が気軽に苦情の申し出や相談ができる体制を整える、相談・苦情に適切かつ柔軟に対応することが必要よ。また、万が一セクハラが発生したら、放置したり、対応を誤ると職場環境に悪影響を与え、さらなるセクハラを誘発しかねないの。再発防止のためにも、その事実関係を迅速かつ正確に確認するとともに、事案に応じて適正に対処することが必要ね。
女性だけじゃなくて、男性だってセクハラされる場合があると思うんですけど…。
そう。雇用均等法の改正で、男性に対するセクシュアルハラスメントも含めた対策を講じることが義務になったの。対策が講じられず是正指導にも応じない場合は、企業名公表の対象となるのよ。
俺も知らずに、相手を不快にさせる発言してそうだもんな~。もはや黙ってるしかないのか…。いや、待てよ…、黙ってたら黙ってたで、じーっと見られて不快だとか言われたりしたりして…。
心配しすぎですよ(笑)
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