サラ金への借金、カード破産。耳にするようになって久しいですが、もしあなたの身の回りに存在したら…?手遅れになる前に、対処法について学んでおくことも、身を守るために必要かもしれません。
みち先輩、ちょっとご相談があるのですが…。
うん、何?深刻そうな顔して?
(こそこそと)あまり人に聞かれたく無い話なのですが、実は最近職場で何回か怪しい電話を取ったんですよ。
ふんふん、怪しいってどんな電話?
それが、「おたくの部署に筋野って奴はいるか」って。しかも別の人からも同じようにかかってきて、金の用意とかなんとか…。そういえば今日の筋野さんの様子もおかしかったし。
…ちょっと待って下さい、それって借金取り…。
筋野くんに事情を確認する必要があるわね。
あっ、ゆき先輩!よっしー!って、なんで二人とも最初からいたみたいに会話に参加してるんですか!
あなたみたいにこそこそしてたら、何か問題を抱えているんじゃないかって様子をみたくもなるわよ。上司としては何か問題があったら、って心配にもなるじゃない。
たなやんさんの様子がおかしいから、心配してたんですよ。
…それはありがとうございます(たなやんさん?)。それより!このような場合はどのように対応したらいいんでしょうか?
まず事実関係の確認ね。もしほんとにサラ金などの金融業者から借金をして返済が困難な状況に陥っているようなら、早急に解決策をとらなくてはね。
多額の借金を負い、返済不可能に陥るっていうニュースをよく耳にしますが、その場合、具体的にはどのような解決方法が考えられるんでしょうか。
まず、弁護士による債務の任意整理、自己破産の申立てが考えられますね。
そうね。弁護士による任意整理は、支払額や支払回数等を債務者の能力に応じた形に変更することによって、債務整理を行うものね。債務者本人が交渉することも不可能ではないけれども、弁護士にお願いしたほうがいいわね。
任意整理って具体的にはどのような形になるのでしょうか。
例えば、長期の分割払いに変更して返済していく方法ね。でもこの場合は、長期といってもせいぜい数年で支払うっていうことが前提になるけど。
そんなに短くないといけないんですか?
あんまり長期の設定にしてしまうと、継続的に返済を続けることが難しくなることもあるから、債権者と和解しにくくなるようね。
ちなみに、弁護士は利息制限法の利率の範囲内で債権者と交渉を行い、返済計画を立てるようですね。利息制限法においては、利率の内訳として、元本が、
10万円未満 年率20%
10万円以上100万円未満 年率18%
100万円以上 年率15%
と利息の上限が定められているんですよね。
債務整理は弁護士以外が業として行うことは禁止されているんですよね?
そうよ。なかには「整理屋」と呼ばれていて、債務整理を請負って債務者の財産を奪うのを目的とした行為を行っている人達もいるから、だまされないよう注意が必要ね。
自己破産ってよく聞きますが、具体的にはどうなるんですか?
自己破産とは、債務者が裁判所に申立てをすることによって債務を免責してもらうことね。必要最低限の生活用品を残し、資産などめぼしいものは処分されることになるわね。それに破産原因、つまり支払不能状態である、っていうことが必要前提になるけど。本当に最後の手段に限られるわね。借金がなくなる代わりに当然ながらデメリットは存在するし。例えば一定期間クレジットカードが作れなくなるとか。
どうしよう。もし筋野さんがそんな状態に陥っていたとしたら…。
(ふらふらと)あれ?皆さんお集まりでどうしたの?
筋野さんっ!私は今まで何だかんだ言いながら信じていたのに!
???(ぷるるる)あ、ちょっと待ってくれ、電話だ。
「もしもし、なんだお前か。この前の飲み会代だろ?分かってるって、今日払うから。会社にまでかけてくんなよな~」(がしゃん)
…筋野さん、今の電話は?
ああ、先週飲んだ友達でさ、給料日前で金が無いからって連絡がしつこいんだよな。「俺がサラ金に手を出す前に~」って大げさな事言ってるから、今日払いに行ってやるんだ。飲みすぎでまだ体調悪いよ、ガハハ~。
…この人ほど人騒がせって言葉が似合う人はいないですね。
まっ、何も無いに越したことはないんだけどね。
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