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2007/08/14号

~あなたもわたしも消費者♪~の巻

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毎日、いかにして商品やサービスをお客さまに買っていただくか、悩んでいらっしゃる方も多いのでは。そんなあなたも、一方では商品やサービスを購入している消費者でもあるわけでして…。

みちせんぱ~い、見てくださいよこの広告。『夏本番!今からでも間に合う痩身エステ』だって~!興味あるなあ☆

今からでも間に合う…。ああ、来年の夏に間に合うってことか。でも1年コースで●×万円…。さすがに高いねえ。

…やっぱ払えないよなあ(涙)

それにさ、エステって、解約しようとすると、『途中で解約はできません』っていわれるらしいよ~。このあいだ友達が言ってたもん。

ええっ、そうなの?そっかー、悩ましい…。

あらっ、それはおかしいわ!!

あっ、ゆき先輩!

エステは総額5万円以上かつ1ヶ月以上の契約となる場合、消費者に中途解約権が認められているはずなんだけど。

そうなんですか???

特定商取引法の政令で規定されている、特定継続的役務に該当するからよ。

言われてみればそのとおりですよね。

特定?商取引法??

特定の商品・サービスを購入する場合や、特殊な形態をとる契約の場合を対象に、消費者を保護する目的で定められた法律よ。そのなかで、中途解約に関する定めもちゃんと規定されているわ。

消費者関連の法律なら、特定商取引法以外にも、消費者基本法や消費者契約法など様々な法律がありますよね!

消費者ねえ…。

なんだか他人事みたいだけど、キミも消費者だよ(笑)。

基本を確認しましょう。そもそも、契約ってのは本来、一度結んだら、お互いに必ず守る必要があるわよね。民法の基本的な原則よ。なぜだかわかる?

えっと、互いに対等な立場で、自由な意思に基づいて契約を結ぶことが前提となっているからですね。

そのとおり!だからこそ、一度契約を結んだら、それをちゃ~んと守る義務や、相手に守ってもらう権利があるわけですっ!

でもさっきエステは解約できるって…。お店の人が解約はダメって言っても???

ふふふ。事業者と消費者(個人の場合)の契約を考えてみて。一般的には、どうしても事業者側が消費者側に比べて、圧倒的にたくさんの情報や知識をもっているし、交渉力も両者が対等とはなかなか言い難いわよね。そこで、消費者保護っていう概念が生まれてきたのよ。

エステの中途解約権を保障するのも、消費者保護の一環ってわけですね。

お互いに対等の立場で契約できるように、消費者が一方的な不利益を被らないですむように、様々なルールを整備してきたわけ。つまり、民法の原則を部分的に修正することで、現実社会に対応してきたともいえるわ。

消費者関連の法律は、時代の流れとともに、社会の要請に沿うようたくさんの改正を重ねてきた経緯がありますよね。

アンフェアなビジネスは社会が許さないですからね!

へえ~、じゃあ今後の動向もますます要注目!ってわけですね。

消費者を対象とするビジネスをする場合には、関連する法律にきちんと気を配ってちょうだいね。それとね、ふたりともカシコイ消費者になりなさいよ~。

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