大好きだったあのお菓子が実は偽装表示を行っていたなんて…。
世間を騒がす偽装表示、不当表示の問題は後を絶ちません。ニュースを見ているときは他人事のように考えてしまいますが、さて自社に立ち返ったとき、あなたは自社の商品、サービスが偽装表示、不当表示を行っていないと、自信を持って言えますか?
あの老舗菓子が偽装表示なんて…、ショックですよ~(泣)
俺も毎年帰省のたびに買ってたから、悲しいな。でも菓子だけじゃなく、肉やら高級料亭やら、後を絶たないよね。
そうですよね。消費者の立場から言わせてもらえば、ウソをついている会社とわかった時点で、買う気がなくなってしまいますよ~(怒)
うちの会社は食品を扱ってないから、こういう問題が出なくてよかったよな~。アブナイアブナイ。
ふふふ、それはどうかしら?
ん?えり先輩?!
食品会社でなくても、商品・サービスを提供する企業である以上、商品・サービスの表示に関するコンプライアンスはついてまわる問題なのよ。全体像を把握してみましょう。
はあ…。
商品・サービスの安全性、表示に関する法律の基本となっているのは、消費者基本法ね。
はい。消費者と事業者では、情報力、交渉力で明らかな格差があるということから、消費者の権利の尊重と自立支援その他について、基本理念を定めたものですよね。
そのとおり。そして、それに基づく消費者保護の法律として、商品などの
1)「安全性」に関する法律
2)「表示」に関する法律
にわけることができるの。
商品などの「安全性」に関する法律って何だっけ?
食品安全法、建築基準法などですよね。他にも薬事法、農薬取締法、道路運送車両法、ガス事業法などが挙げられます。
じゃあさ、「表示」に関する法律っていうと何だっけ?
よっしーに頼ってないで、自分で考えなさい(怒)表示に関する法律は、景品表示法、計量法、家庭用品品質表示法などね。ご存知のJAS(日本農林規格)、JIS(日本工業規格)も公的な基準よ。
表示の法規制には、購入者の商品選択に必要な一定の表示を義務づける方式(積極的表示規制)と、虚偽・誇大な表示を規制する方式(消極的表示規制)があるんですよね。
そのとおり。今回の偽装表示、不当表示に関わるような法律、景品表示法、JAS法は後者の例になるわ。また、不当な表示は詐欺行為として、刑法違反を理由とする刑罰や、民法にもとづく契約取消、損害賠償の問題に発展することもあるの。
うーん、単純に偽装表示といっても、結構いろんな法律が関わってくるんだなあ。
そう。事業者が共通に守るべき法律、自社の業種に関連して守るべき法律の両方をきちんと把握し、守ることが必要ね。
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