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2008/03/26号

~成分の表示と企業の責任~の巻

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わたしたちの身のまわりの商品やサービスには、それぞれほんとうにたくさんの法律が関係しています。今日は、身近にある商品の、法的な表示を題材に、えり先輩が企業の責任を説きますよ!

センパイ、そのピンクの口紅、かわいい~!!

この春の新作コスメだよ。おひる休みにとなりのデパートで買ってきちゃったわ~♪

え~っ、いいなあ。口紅の入ってる箱までかわいい☆もったいなくて箱もすてられないですね!

ほほほ♪♪♪箱だけならよっしーにあげるよ(笑)

え、いらない…。でもこの箱、よくみるとなんかいろいろ書いてありますよ。この口紅、ずいぶんいろんな成分がはいってるんですねえ~。

ふふ。化粧品に含まれてる成分が、きちんと表示されてるでしょう? その化粧品をつくったり、輸入や販売をしたりしてる企業の責任が、ちゃんと明確になってるってことよ。

あっ、えり先輩!!

実は、医薬部外品をのぞくすべての化粧品はね、原則として含まれているすべての成分を表示することが法律で義務づけられているの。いろんな化粧品の容器や箱を見てごらん。どこかにその化粧品に配合されている成分がずら~っと表示されているはずよ。

ひょえ~。そうだったんだあ。知らなかった…。

化粧品の全成分表示は、2001年の4月の薬事法改正で、実施されるようになったのよ。

ヤクジホー?

化粧品や医薬品などを対象に、その有効性や安全性を確保するために定められた法律よ。わたしたちの生活に、とっても身近な法律のひとつじゃないかしら。薬事法の改正以前、化粧品に表示する必要があったのは、厚生労働省が指定した「表示指定成分」だけだったわ。

まれにアレルギーを起こす可能性がある成分などが、表示指定成分に指定されていたんですよね。

ふう~ん。たしかに、アレルギーを起こす成分が含まれてる化粧品が、何も知らされずに販売されていたら、そのアレルギーをもった消費者にとってはたまったものじゃないですよね。

全成分表示制度の実施によって、化粧品に表示指定成分を表示する制度は廃止されたのよ。

そういえば、化粧品をつくったり輸入したりする場合、以前だったら、1点ごとに事前に国に申請して、承認・許可を得る必要があったんでしたよね?

そうそう。現在では、全成分を表示するかわりに、厚生労働大臣による事前の許認可が不要となったのよ。もちろん、現在でも国は一定の制限を設けて、化粧品の安全性をちゃんと確保しているわ。ただ、法改正以前に比べて、企業の自主的な管理が大幅に認められるようになったのね。

へえ~っ。それって、企業にとってすごく影響が大きな法改正ですよね~!

そりゃあ、この規制緩和は、影響が大きかったと思うよ。たしか全成分表示って、日本よりも欧米のほうが先行していたんでしたよね、えり先輩?

日本より前から、欧米では、情報公開のために全成分表示が一般的だったようね。

なるほど、情報公開かあ…!

企業がすべての成分を表示するってことは、より一層、企業がその商品に責任をもつことにほかならないわ。

食品や金融商品など、化粧品以外にも、生産・製造者や輸入・販売者などが表示すべきことや、表示してはならないことが法律で定められている商品やサービスって、世の中にたくさんありますよね。

そのとおりね。商品をつくったり売ったりするなら、法律のあるなしに関わらず、その商品にちゃんと責任をもたなきゃねっ!!

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