第一法規株式会社|教育研修一覧

2008/11/11号

~簿外品の扱い~の巻

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簿外品、簿外処理って言葉では知っていても、実際の会計上の処理はどのように行われているかご存知ですか?ちゃんとルールが存在しているのに、ここに潜んでいるリスクを見逃していませんか?

筋野さーん、机のうえに商品置きっぱなしでしたよ。大切な在庫なんですから、しっかり管理しといてくださいよ。

ああ、それは簿外だから。在庫じゃないから関係ないよ。

そうなんですか?じゃあ問題ないですね。

この商品発注し過ぎただろ?だから納品部数を減らして記載して、減らした分を簿外にしたんだ。あとで在庫が少なくなったらこの分から販売してしまえば、二重にお得だよなー♪

で、簿外の意味はご存知かしら、筋野さん?

げっ、えりさん!

帳簿に記載する必要のないものを一般的に簿外と言いますよね。在庫扱いの商品を簿外にまわすということは、その分会計処理が必要になりますが、その処理は適切に行っていただけたんですよね

え?いやー、納品してもらった部数を在庫と簿外に分けて処理しまして、簿外分は記載していないですけど…。

こらー!それじゃー、実際にかかった原価と、出来上がった商品部数との整合性がとれないじゃない!結果として、原価が過剰に計上されて、利益を過少申告したことになるかもしれないのよ!

え?簿外って計上する必要があるんですか??

分かってないわね。しかも決算が迫ってるこの時期に、そんな処理を行ったらどういう事が起きるか分かってる?

脱税の疑いがありますね。不正に利益を圧縮したとして、所得隠しを指摘される危険性があります。

だ、脱税!?そんなつもりはなくて、在庫の調整をしただけなんですよ!

そんなのは言い訳にしかならないわ。調整をしたってことは意図的に資産として計上しなかった、と解釈されるかもしれないんだから。

しかも、簿外の商品を販売するだなんて、言語道断ですね。在庫でもない商品を販売したら、その売上分どうやって処理するんですか?

…どうやって処理するんでしょうね。

全く。儲かると思って考え無しにそういった処理を行うとあとで困るのは自分よ?追徴税額を請求されたりしたら、結果的に損をすることになるんだから。さあ、すぐに適切な処理へと修正しなさーい!

はーい…。

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