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2009/04/21号

~裁判員制度がはじまるよ!~の巻

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あと1カ月でスタートする裁判員制度。もしも裁判員に選ばれたら?裁判員に選ばれた人が社内にいたら??

もうすぐですねー、裁判員制度。

裁判員制度って、国民が、刑事手続のうち地方裁判所で行われる殺人や放火など重大な事件の刑事裁判に参加して、被告人が有罪か無罪か、有罪の場合にはどのような刑にするのかを裁判官と一緒に決める制度のことですよね。

裁判員に選ばれたら、会社を休んだりしなきゃいけないんですよね。仕事も忙しいし、断れないですかねぇ。

単に「仕事が忙しい」というだけでは断れないみたいですけど、とても重要な仕事があって、裁判員候補者自身が処理しなければ著しい損害が生じると裁判所が認めた場合に限っては辞退できるそうですよ。

おっ、さすが、詳しいな。会社は、裁判員の仕事のために休むことを認めてくれるの?

はい。労働基準法7条は、労働者が「公の職務を執行するために」必要な時間を請求したときには、使用者はこれを拒んではならないと定めていて、裁判員の職務もこの「公の職務」に当たるから、従業員から裁判員に選ばれたと言われた場合には、裁判員としての職務が終わるまでは職場を離れることを認めなければいけないんです。

休んだことを理由に、解雇されたりすることはないの?

裁判員法でも、労働者が裁判員の職務を行うために休暇を取得したことなどを理由とした解雇などの不利益な取扱いが禁止されているので、安心してください。

就業規則を改定して、「裁判員休暇」なんていう制度をつくった企業もあるみたいですね。いずれにせよ、足尾さんが裁判員に選ばれたら、私たちが協力して仕事を分担しますから、早めに教えてくださいね。

えっ。でも、裁判員になったことを口外しちゃ、いけないんじゃなかったっけ?

たとえば、インターネット上のホームページなどで、裁判員候補者になったことを不特定多数の人がわかるような状態にすることは禁止されていますけど、日常生活の中で家族や親しい人に話すことはいいんですよ。もちろん、上司に裁判員になったことを話して休暇を申請したり、同僚の理解を求めたりすることは問題ありません。裁判所に行くべき日の6週間前までにはお知らせが来るはずですよ。

しかし、法律の専門知識のない僕たち一般市民が裁判員になって、裁判はちゃんと進むのかね?

心配いりませんよ。裁判員の役割は、犯罪に該当する事実があったかなかったか、どのような刑にすべきかを判断することだから、法律的な知識は必要ないんです。必要なら、裁判官が説明してくれますよ。

特別な知識ではなく、私たちの良識が求められているっていうことですね。コンプライアンスの感覚も生かせそう。

僕がいつもみんなに厳しくツッコまれているのも、こういうときに役立ちそうですね。やる気が出てきたぞ。

ま、裁判員に選ばれる確率は5000人に一人といわれてますけどね。

競争率高いなー。選ばれたら、相当ラッキーだなぁ。

なんかズレてる気が・・・。

参考:最高裁判所 裁判員制度ウェブサイト

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