一言に契約、と言っても、契約書、覚書など、締結する書面にはいろんな種類があります。この取引の場合にはどんな形で締結するのが正しいのか?なんて、皆さん悩んだ経験はありませんか?
足尾さん、プロジェクトの関係で業務委託することになった企業との「契約書」締結してくれた?
ばっちり用意しておきました!後は両者の押印があれば完成です。
さすが足尾さん、すばやいわね、ちょっと見せてもらってもいい?…あれ、この書類「覚書」って記載されているけど?
今回の案件は規模が大きくないので「覚書」で問題ないかと思って。
その書類はちゃんと当社の法務部が確認しているのよね?
あっ、えり先輩!!
確か前にも、ゆき先輩が契約書について説明したことがあるかと思うんだけど。
ちゃんとみんな情報共有されていないようね。
なんか契約自由の原則とかって話はうっすらと記憶にありますが…
その辺のことは復習していただくとして、そもそも「契約書」ってどんな場面で締結するものか分かりますか?
そりゃー口頭で話しただけじゃ何も証拠が残らないから、それを担保するものなんじゃないか?
大体そのような意味合いです。契約内容を証するものってわけですね。それでは「覚書」は?
…うーん、なんだろ。なんとなく「契約書」にするほどの内容じゃないときかと思ってたけど。
契約の内容次第ね。両方ともスタイルは連署式になっているわ。「契約書」が契約の基本内容を明記してあるものであるのに対して、「覚書」は契約書を補足するものであったり、詳細部分の取り決めなどを記載するのが一般的ね。
なるほど。そうすると、例えば「念書」のようなものはどう異なってくるんですか?
「念書」は、すでに発生している当事者間の取り決めを、一方が相手方から要求されて記載するものが多いようです。スタイルも両者が署名するのではなく、義務者が相手方に向けて差し出す形が一般的ですね。
なるほどー、奥が深いですねー。
安心していないで、今回の取引はどのような内容かちゃんと確認して、法務部の確認をもらってください!「契約書」には基本事項に加えて、内容に応じた条項を付け加える作業などがあるんですから。
そうよ。自分の思い込みだけで判断すると、あとが怖いこともあるんだから。そもそも業務委託契約とは…
足尾さん、もう法務部にいっちゃいましたよ。ほんとに行動はすばやいんですけどねー。
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