日常の業務において、決められた規則やルールに沿って行動していますか?業務上の規則や手続きに込められた意味を再確認しましょう。
大麦さん、聞いて聞いて!
どうしたの? うれしそうな顔をして 。
データ入力業務に関していい業務改善案を思いついたんですよ。
足尾さんにしては珍しくひらめいたわね。なになに?
新システムの受注データの入力だけど、受注担当者が入力を行った後で入力した人とは別の人が「受注入力データ一覧」と「発注書」をつき合わせているでしょ。
うんうん。
でも、いつも両方の担当者がいるとは限らないし、皆、忙しいから一人の担当者がまとめてやっちゃえば業務もスムーズに流れるし、余計な二人分の人件費を使うこともないでしょ? 早速この名案を上司に報告してこよう…。
なんかまずい案のような気が…。
足尾さん、報告行くのちょっと待ってください。うちの会社の業務プロセス文書では、受注担当者が入力を行った後、入力者とは別の担当者が打ち出した「受注入力データ一覧」と「発注書」をつき合せて確認することになってるはずですよ。入力者自身が行うセルフチェックは業務プロセス文書では認めてないですよ。
決まりとか、業務文書とかうるさいなあ。その決まりが効率的でないからさっきの案を考えたんだろ。
足尾さん、みちの言うとおりよ。セルフチェック自体は、ミスを入力者自身が発見し、データの精度をあげるうえで必要不可欠なプロセスよ。でもね、入力者自身がチェックしても、思い込みからミスに気づかない可能性があるから、「別の担当者がチェック」する決まりになっているの。また、入力する人と確認する人が同じでは、不正にもつながるわ。「業務プロセス文書」に沿った運用をすることは、それなりの意味があることなのよ。
そうですね。業務プロセスどおりに仕事をしていないということは、会社にリスクを与えているのと同じことになりかねないですよね。
そうね。リスクを最小限にするための対策として、「内部統制」というものがあり、それは、全ての業務プロセスに関係しているの。会社の経営戦略を実現するためには、いくつものリスクがあるけれど、内部統制はリスクを最小限にくいとめるための対策と運用とも言えるわね。ルールの存在を社内へ周知徹底することによって、全社的な「内部統制」がはかられるのよ。
仕事の基本を忠実に実践することが「内部統制」の要締であるということですね。
そうなんですね。そこまで深くは理解していなかったなあ~。一括してやれば、経費節減になると思ったのにな~。
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