第一法規株式会社|教育研修一覧

2009/08/18号

~不法行為?!~の巻

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居酒屋で店員さんから飲み物をこぼされたり、混んだ電車で洋服に口紅をつけられたり…。はたまた子どもの目の高さにくる歩きタバコや、傘の先、などなど。世間には危険がいっぱい!そんな不意な災難の時、みなさんどうしてますか?

ちょっと聞いてもらえますか?友人がカフェをオープンしたんですが…。

まぁ、ステキなお友達がいるのね。で、何かトラブルでもあったの?

いえ、それが、いいお客さんだったのでトラブルにはならなかったんですが…。なんでも、バイトのフロアスタッフさんが、お客様にコーヒーをお出しした時、緊張してこぼしちゃったらしいんです。

あら~大変! で、大丈夫だったの?

それが、フロアスタッフさんは、すぐテーブルを拭いたんですが、すでにお客様のズボンにコーヒーがかかってしまっていて…。で、「すみません、大丈夫ですか?」って謝ったら「平気、大丈夫です」って言われたので、そのままにしてしまったようなんです。

ヤケドにならなくって良かったわね。で、どうしたの?

友人は何も知らず、お会計をいただき、お客様はお帰りになったんですが、後になってフロアスタッフさんからそのことを聞いて、なんとも申し訳なかったと、嘆いていました。

そうだったの~。 その場の雰囲気で「大丈夫」って言ってしまうことってあるわよね。

そうですよね。それで、どうも気になってるみたいでした。その場では、お客さんは「大丈夫」って言っていたらしいんですけど、えり先輩、こういう場合って、どうするのがいいんですか?

やさしいお客様だったみたいね。でも、友人の方が気にしている感覚は正しいわ。この場合、不法行為にあたる可能性があるのよ。

えっ、不法行為ってなんですか?

行為者が、被害者に対して損害を発生させる行為のことよ。今回は、サービスを安全にお客様に提供する義務を、故意または不注意によって、お客さまの洋服にシミを付けるという損害を生じさせてしまったので、お店は、損害を賠償する責任があるわね。民法の不法行為による損害賠償というのに当たるわ。

損害賠償が必要なんですね。

そう。さらに、従業員が業務中にお客さまに損害を与えた場合、雇用主にも損害を賠償する責任があるの。だから足尾君の友人は、フロアスタッフさんに代わって、監督する者として責任を負うことになるのよ。

そんな法律があるんですね。

お店に限ったことだけでなく、例えば、歩きタバコや、傘の先が子どもの目に当たったりしてケガをさせてしまった場合なども、不法行為にあたるのかしら?

そうよ。つまり自分のうっかりミスでも他人に損害を与えてしまったときは、それを賠償する責任があるってことなの。

なるほど。そういうことなんですね。友人が、気にしてたんで、伝えます!…かくいう俺自身も、暑気払いのシーズンだし飲みすぎて他人に迷惑をかけないように気をつけよっと。

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