第一法規株式会社|教育研修一覧

2009/11/25号

~熱心に部下を指導したつもりだったのに…~の巻

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パワーハラスメント、いわゆるパワハラに対する認知度は、ここ数年でずいぶんと向上しています。一方、現実には、パワハラが職場の身近な問題であればこそ、いろいろな悩みもつきないようです。

ぼくの友人が、このまえマネージャーに昇格したんです。

まあ、すごいじゃない!

ところが、新任マネージャーとして、はりきって部下に指導をしはじめたら、さっそく部下から「マネージャー、それはパワハラです!」と抗議されてしまったみたいで。

ええっ、それは大変だわ。

友人は、「僕のなにがいけなかったんだろう…」ってひどく悩んでしまってるんですよ。

たしかに、「熱心な教育的指導」と「パワハラ」の違いは、みんなが悩むポイントでしょうね。

あっ、えり先輩!

う~ん。考えてみると、どこまでが上司から部下への愛情あふれる「叱咤激励」で、どこからが「パワハラ」って、線をひくのはとても難しいかもしれないわ。
パワハラだと部下から訴えられることが怖くて、部下に対する指導がやりにくくなったと感じている上司も多いらしいですよ。

僕の友人も、部下のためを思って、熱心に叱咤激励したつもりだったみたいなんです。それが部下から「パワハラ」だと言われてしまったみたいで。

上司が部下に適切な指導をしたり、ときに叱責をしたりすることは、当然に必要なことよね。

適切な指導とパワハラの区別をつける、なにか具体的な目安みたいなものはあるんでしょうか?

そうね…。地位や権限を背景に、業務に必要な範囲を超えて、継続的に人格や尊厳を傷つける言動が繰り返されるようなら、それはパワハラに該当するでしょうね。

パワハラは、人格を否定したり、傷つけたりする行為なんですね。

そのとおり。適切な指導とは全く別物よ。
上司から部下への指導にあたっては、ストレス耐性などが人によって異なることなどにも一定の配慮が必要ね。

なるほど。さっそく友人に教えてあげなきゃ!

マネージャーになったそのお友達だけでなく、職場のだれもが、パワハラの被害者はもちろん、加害者になってしまう可能性があるのよ。

…と、言いますと?

例えば、「役職などが上位にある人が下位にある人へ」のパワハラ以外にも、「年上の部下から年下の上司へ」、「発注先から下請先へ」、「正社員から派遣社員やパート・アルバイト社員へ」といった、なんらかの地位や権限を背景に、パワハラは職場のあらゆるところで起こりうる可能性があるのよ。

職場にパワハラがあったら、被害者はもちろん、まわりのメンバーもいい気持ちで働けなくなってしまうわ。職場のチームワークもみだれてしまうでしょうね。

そのとおりね。職場のメンバー誰もが、やりがいをもって気持ちよく力を発揮できる環境を整えていくことが大切ね。

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