第一法規株式会社|教育研修一覧

2009/12/22号

~企業の環境マネジメント~の巻

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環境問題への取組みは、私たちの個人の生活ルールとして定着してきています。ごみの分別収集、家電リサイクル、またエコカーや家電製品のエコポイントなど、環境配慮への意識も年々高まってきています。一方、職場や企業にとっての環境対策はどうなっているのでしょうか。

大麦さん。実は、僕もついに車を買うことにしたんですよ。

へぇー、どんな車にしたの?

もちろんエコカーですよ。

そうなの。地球に優しいのはいいことね。うふふ。決め手は、エコカー減税かしら?

はい! あっ、いや、違いますよ!! 環境対策への市民としての責任感ですって。

足尾くんも、環境問題については進んでいるのね。

あっ、えり先輩!

環境問題への関心は私たち個人のレベルでも年々高まっているわね。

そうですね。僕も近頃は自宅でのごみの分別や粗大ごみの出し方には気を使っていますから。のびのびと自由にごみを捨てられるのは、会社にきているときだけですよ。

それじゃだめよ、足尾くん!

大丈夫ですって。燃えるごみ・燃えないごみの分別なんかは、清掃業者の人に任せておけば。

違うでしょう!今、多くの企業が環境対策を経営の重要な柱と捉えて取り組んでいるっていうのに!!

そんなに目くじら立てなくてもいいのにな。

えり先輩も言ってあげてください。 コンプライアンスやCSRの取組みが進む中、企業は、ステークホルダーの納得や期待に応えた経営をしなければならないの。ここには環境問題への取組みも重要な要素として位置づけられているわ。企業が、その活動の中で自主的に環境対策を進めていくために、さまざまな方針や目標を自ら設定して取り組んでいくことを「環境マネジメント」というのよ。

僕、マネジメント嫌いだから。

持続可能な社会を作っていくためには、企業活動のさまざまな場面で環境対策を推進していく必要があるわ。それには、単に規制に従うだけでは不十分よ。もっと視野を広げて、企業の活動全体にわたって環境保全の活動に積極的に取り組んでいくことがとても重要なの。

でも、コストがかかるばかりで、はっきりと効果が目に見えそうにない気がするなぁ。

足尾くんがねらっているエコカー減税のように、実入りがなければやりがいがないってこと?

いや、だから僕は地球環境が心配で…。

確かに、規制を守るためには技術導入などでコストがかかるわね。だけど、企業が目的意識をもって環境マネジメントに取り組んでいけば、たとえばコピーは紙の両面コピーにするとか資材の無駄使いを減らしていけば、廃棄物も減って処理コストの削減につながっていくわ。それに、こういう企業の努力を「環境報告書」などで市民に公表することによって、消費者の企業イメージのアップにもつながっていくのよ。

イメージアップか、覚えておこうっと。

企業の環境への取組みと企業活動のあり方について、8割を超える企業が社会的責任と回答している調査報告もあるし、業績を左右する重要な戦略とかビジネスチャンスと捉えている企業もあるのよ。

目先の損得にとらわれていてはダメってことですね。

僕という人間のイメージアップのためには、エコカーはいい材料になるけど、いくら、エコカー減税があるとはいえ、その前に隣に乗ってくれる人を見つけるほうが先だな。車はそれからでいいや。

コラッ!足尾!!

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