第一法規株式会社|教育研修一覧

2010/09/14号

~月に一度のお楽しみ~の巻

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大麦さんが足尾さんに仕事を頼もうと近づくと、足尾さんは鼻歌まじりに仕事も手につかない様子。足尾さんの身に一体何があったのでしょうか。

♪♪♪~

足尾さん。なんだかウキウキしてませんか?

何、言ってるんですか、大麦さん。今日は待ちに待った給料日ですよ!これで今月もうまいビールが飲めるってもんです。

なるほどー。それでご機嫌なんですね。そういえば、さっき筋野さんのところへ行ったら、机の上に給与明細がほっぽってあったわ。

ボクも給与明細なんて見ませんね。給与明細はいらないから、浮いた紙代分、給料上げてくれないかなぁ。

はーあ、何言ってるの。足尾さんがいくらいらないって言っても、会社には給与明細を発行する義務があるの。つまり、給与明細を発行しないと、法令違反になっちゃうのよ。

えっ、そうなんですか?

そう。所得税法231条で、給与等の支払いをする者は、支払いの明細書を、給与等の支払いを受ける者に対して交付しなくてはならないと定めているのよ。

明細書は紙じゃなくてもいいんですか?

給与明細を受け取る側が承諾すれば、給与明細をイントラ上で確認できるようにするなど、電子情報で交付することが可能になるわ。

そういえば、友達の会社はイントラで給与明細が見られるって言ってたなぁ。

でも、職種によっては、普段パソコンにまったく触れない人やパソコンが苦手という人もいますし、そういう人はやっぱり紙で見たいと思いますけど。

もちろん、そういう場合は、書面で交付するように請求すればいいのよ。会社は、そういった請求を受けたら、必ず書面で交付しなくてはいけないことになっているからね。

もし、その請求に応じなかったら、どうなるんですか?

給与明細書を発行しない場合、税務署からの是正指導を受けることにもなるし、懲役や罰金などの罰則もあるのよ。

えっ。

給与明細は、私たちの大事なお給料のことが書かれているものだから、毎月きちんと確認しておきたいですよね。

それに、会社員の場合、ほとんどが給与から所得税や社会保険料等が控除され、それが明細で明らかになっているから、給与明細を見れば、自分が納税の義務をちゃんと果たしているか、社会保険料は毎月きちんと払っているかが分かるのよ。

そっかー。「実は、年金払ってませんでした」なんてことになったら、ボクの老後が…。

もう老後の心配!?

足尾さんは、老後よりも今月のやりくりの心配をしたほうがいいと思うけど。

【給与明細を発行するのは会社の義務】
(所得税法231条:居住者に対し国内において給与等、退職手当等又は公的年金等の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その給与等、退職手当等又は公的年金等の金額その他必要な事項を記載した支払明細書を、その支払を受ける者に交付しなければならない。)
●交付を受ける者が承諾すれば、電子情報で交付することも可能。
●書面での交付請求があれば必ず書面で交付。
●給与明細書不発行は税務署の是正指導、懲役、罰金の対象に。
※源泉徴収票についても同じです。

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