第一法規株式会社|教育研修一覧

2010/09/28号

~休憩時間は、何のため?~の巻

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忙しすぎて、休憩もとらずに長時間、働きすぎていませんか? 仕事中に休憩時間があるのには、ちゃんと理由があるんですよ。

足尾くん、どうしたの? 朝からしずんだ顔しちゃって。

あ、大麦さん。実は…、昨日の夜、友達とのんでたんですけどね。

それで、二日酔いってわけ?

いや、それもあるんだけど、実はちょっと、その友達が心配で。

まあ、どうしたの?

彼、とある製造工場で働いているんですけど、現場の人が足りなくて、毎日、休憩時間もまともにとれないくらい忙しいっていうんですよ。

う~ん。それは大変ね。いろいろと事情があるんでしょうけど…。

もともと元気なやつだったのに、かなり疲れがたまっているみたいで、なんか心配なんですよね~。

そっかあ。

働く時間のなかで、ちゃんと休憩をとるのは、わたしたち働く人の権利なのよ。

あっ、えり先輩!

わたしたちの仕事中には、休憩時間があるけど、この休憩時間って、何のためにあると思う?

えっ?

労働基準法っていう法律は知っているわよね?

はい。労働者を保護するために、労働条件の最低基準を、いろいろ定めている法律ですよね!

正解。この労働基準法には、労働者の疲労回復のために、労働時間の途中に休憩時間を与えるっていうルールが定められているのよ。

休憩時間って、法律と関係してたのか~。

たしかに、長い時間働くと、心にもからだにも、知らず知らずのうちに疲れがたまってしまいますものね―。

労働時間が6時間を超える場合は、少なくとも45分、8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩時間を、労働時間の途中に与えなければならないの。これは法律にのっとったルールなのよ。

えー!!彼は、絶対、毎日8時間以上働いているなあ。1時間も休めているかんじじゃなかったけど。

それは問題ありかもしれないですね。

休憩時間っていうのは、労働者が労働から離れることを保証されている時間、つまり労働者が自分の自由に使える時間よ。

労働者が会社の指揮命令下におかれない時間なんですね。

そういうこと。だから、会社の指揮命令下のもとで、いつでも労務をできるように待機している時間は、たとえ実際には労務を提供していなくても労働時間なの。休憩時間ではないわ。

そっか、そうだったんだ…。彼はこういう法律のルールがあること、知っているかなあ? ぼくも知らなかったしなあ。

まずは、足尾くんから正しい知識を教えてあげることも、重要だと思うわよ。
そのうえで、もし法律上も問題があるような状況なら、その会社のためにも、なんとかそういう状況を解決する方法を、会社として考えていかなきゃいけないわ。

ですよねー。 今度、彼に話してみます!

1) 労働基準法では、使用者は、「労働時間が6時間を超える場合は、少なくとも45分、8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩時間を、労働時間の途中に与えなければならない」と定めている。
2) 休憩時間は、労働者に自由に利用させなければならない。
3) 実際に労務を提供していなくても、いつでも提供できるように待機している状態は、労働時間であり、休憩時間ではない。

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