もうすぐ4月。みなさんの職場のなかにも、新入社員を迎え入れる職場がたくさんあるのではないでしょうか。
我が社にも、もうすぐ新入社員さんが入ってきますねー。
わたしたちも、昔は新人さんだったのよね。
なつかしいなあ~。
わたしたち、会社に入るとき、会社となにか契約を結んだわよね。
大麦さん、そうでしたっけ?
あら、足尾くん、なんですって???
あっ、えり先輩!
足尾くん、私たち労働者と会社の関係について、復習が必要みたいね。労働基準法が適用される事業場では、会社と労働者は労働契約を結んでいるのよ。
労働契約?
労働契約というのは、雇う側の会社と雇われる側の労働者が結ぶ契約よ。「労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うこと」について、労働者と使用者が合意することによって成立するわ。
えり先輩、「労働基準法が適用される事業場では」ということは、労働基準法が適用されない事業場もあるんですか?
いい質問ね。それぞれに例外はあるけれど、まず「同居の親族のみを使用する事業」や「家事使用人」は、労働基準法の適用外ね。それから「国家公務員の一般職」、「地方公務員の一部」。そして、「一部を除く船員」も適用外だわ。
ぼくたちの会社は、これらにあたらないから、労働基準法が適用されていて、会社と僕たちは労働契約を結んでいたんですね。
そういうことね。労働基準法がどういう法律かは、わかるかしら?
えっと…。
労働基準法は、事業者と対等ではない、立場の弱い労働者個人を守るため、労働条件の最低基準を定めた法律よ。
雇う側である事業者と比べて、雇われる側の労働者は、立場の弱いことが多いですよね。
民法の契約自由の原則に従えば、お互いに納得したうえで自由に合意した内容であれば、極端にいえば、どんな内容であっても、そのまま適用する原則になっているわ。たとえば、労働時間ひとつとっても、「1日10時間」という契約を交わすことも可能よ。だけどそれでは、立場の弱い労働者は不利になってしまうでしょ。
そうですね、それでは労働者がかわいそうです。
だから、労働基準法では、労働時間について「1日8時間、1週40時間」を超えないものと法定されているの。そして、この条件を下回る、つまりこの条件より労働者が不利になるような労働契約の内容は無効としているの。
だから、安心ですね。
なるほど~!労働基準法は、ぼくたち労働者を守ってくれていたんですね!!
・労働基準法が適用される事業場では、会社と労働者は労働契約を結んでいる。
・労働基準法は、雇う側である事業者に比べて、立場の弱い労働者を守るための労働条件の最低基準を定めた法律である。
・労働基準法で法定された条件よりも労働者が不利になるような労働契約の内容は無効である。
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