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2011/11/22号

~内部通報、どんなときに利用するの?~の巻

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「内部通報窓口」についての案内が掲示されているのを見た足尾さんと大麦さん。二人でなにやら話しています。

新しく内部通報の外部窓口が設置されたんですね。

去年、通報がゼロだったから、窓口を増やしたのかしら。

ゼロかあ。内部通報って、どんなときに使うものなのか、わかりにくいからですかね。僕なんて、そもそもどんな制度なのかもよくわかってないし。

足尾さん、開き直ってもダメよ!今から説明するわね。

はっ、はい!

内部通報制度は、不正を発見した人が、直接、コンプライアンスの窓口に通報することができる仕組みなの。

具体的に、どういう場合に使うものなんですか?

法令違反や不正行為などのコンプライアンス違反が発生していたり、発生のおそれがある場合よ。

まだ発生していなくても、そのおそれがあればいいんですね。

そうよ。それに、多くの会社が、法令に違反する行為だけでなく、社内の規程違反や倫理違反などの不適切な行為についても、受付の対象にしているわ。

従業員であれば、誰でも利用できるんですか?

一般的に、正社員・契約社員・パート・アルバイト社員を通報者と定めている場合が多いわ。派遣社員も含めている会社もあるのよ。

その会社で働いているひとであれば、だれでもOKなんですね。

そうね。なかには、取引先の従業員も利用できるようにしている会社もあるのよ。

取引先も?

ええ。役員や退職者、グループ企業の役職員、従業員の家族などを含めて対象としている場合もあるわ。

それぞれの会社の事情に応じて、幅広く通報者の範囲を決めているんですね。

通報方法は会社によって違うんですか?

電話・メール・ファックス・書面・面談・口頭など、複数の受付方法を設けている会社が多いわね。窓口も、社内か外部、もしくはその両方を設けている場合があるのよ。外部の窓口は、弁護士や法律事務所を窓口としている場合が多いようね。

通報すると、秘密を守ってもらえるかちょっと心配ですよね。特に社内の窓口とか。

秘密の保持については、社内の窓口であっても外部の窓口であっても、通報者や通報内容に関する情報の取扱いや個人情報の保護について厳重に規定を設けているわ。

秘密保持は、内部通報制度が機能するための要ですものね。

それに、通報者に対して不利益が及ばないように、各社規程を設けているわ。

それなら安心して通報できますね。せっかくよかれと思って通報して、自分が損をしたら嫌ですもんね。

ただし、なんでも通報というのは違うわよ。上司に相談する、職場で話し合う、本人に注意する、など、通常の手段での解決を、まずは図るようにしてね。

足尾さんは、注意をちゃんと聞くから、通報されずにすみますね。

大麦さ~ん、まだそんなこと~。

<内部通報制度のポイント>
●不正を発見した人が、直接コンプライアンスの窓口に通報することができる仕組み
●コンプライアンス違反が発生していたり、発生のおそれがある場合に利用する
●社内の規程違反や倫理違反などの不適切な行為についても対象にしている会社が多い
●秘密の保持や通報者の不利益取扱いの禁止について厳重に規定を設けている

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