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2012/02/14号

~自社の財産も、他社の財産も、たいせつに!~の巻

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知的財産侵害に対して、巨額の損害賠償が認められたニュースに驚く足尾さん。
知的財産に関する基本的な考え方をおさらいしましょう!

すごい規模の金額だな…。

なにか驚くような記事があったの?

知的財産権の侵害が認められると、こんなに大きな額の損害賠償が認められるなんて、びっくりです。

本当ね。知らずに他社の権利を侵害してしまったら、大変ね。

知的財産は会社の大切な財産よ。それをどう活用できるかが、ビジネスの優位性や競争力を決定づけるといっても過言ではないわ。

あっ、えり先輩!

だから、「自分の会社の知的財産をしっかり守る」ことと、「他の会社の知的財産を尊重する」ことが、ビジネスのとても大切なルールなのよ。

知的財産については、法律でもいろいろなルールが定められていますよね。専門家でも理解が難しい分野だと聞いています。

そのとおり。だからこそ、適切に専門家や専門部署等の支援を仰ぐことが不可欠よ。でも、知的財産を尊重するというシンプルな原則は、だれもが身につけておくべき、ビジネスの基本的な考え方なの。

知的財産に関係する法律といえば、たとえば特許法とかですよね?

そうね。特許法以外にも、実用新案法、意匠法、商標法、著作権法など、知的財産法と呼ばれる、いろいろな知的財産権に関する法律があるわ。

よく売れている他社の商品をマネしたり、他の会社の有名なブランドに便乗したりして儲けるような商売はいけないって、法律で決まっているんでしたよね!

いま足尾さんが指摘した、他社商品の模倣や、ブランド等の著名な表示の不正使用など、その商品や会社の信用を傷つけることになる行為は、不正競争防止法で規制されているわ。

知的財産法以外でも、不正競争防止法が、知的財産を守る役割を果たしているんですね。

どういう意味ですか?

知的財産法と不正競争防止法は、お互いに補完し合うかたちで、知的財産を保護する役割を果たしているの。

???

特許法や著作権法などの知的財産法では、特許権や著作権などのさまざまな知的財産の権利を、だれかの独占物と定める方法で、その権利を保護したり、権利の侵害を規制したりしているわ。

なるほど。不正競争防止法は違うんですか?

不正競争防止法は、不正競争に当たる一定の行為に規制をかける方法で、さまざまな知的財産を保護しているのよ。

積極的に権利を取得する知的財産法に対して、不正競争防止法は、行為に規制をかけているんですね。

そういうことね。知的財産を保護するという目的を達成するために、いろいろな角度から、さまざまな法律が定められているといえるわね。知的財産法も不正競争防止法も、知的財産を保護し、経済を健全に発展させるための大切な法的インフラになっているのよ。

なるほど~。

ところで、不正競争防止法では、足尾さんが指摘した、他社製品の模倣や、他社ブランド等の不正使用以外にも、さまざまな行為が、不正競争に当たる行為として規制されているわ。

たとえば、どんな行為が規制されているんですか?

営業秘密を保護するための規制について、聞いたことはある?企業の重要な情報である営業秘密について、他の会社の営業秘密を侵害することが禁じられているのよ。

ということは、企業の重要情報は、法律が要求する要件を満たせば、営業秘密として不正競争防止法による保護を受けることができると考えることもできますね。

そのとおりね。自分の会社の営業上の利益を保護し、他の会社の営業上の利益も尊重することが、不正競争防止法でも求められているわ。

自分も他人も大切に。自社も他社も大切にってことですね。

そうか。人間同士だけでなく、企業と企業も同じなんですね。

◆ 知的財産を尊重するという原則は、ビジネスの基本的なルール。
◆ 知的財産法では、だれかの独占物と定めることで、知的財産の権利を保護したり、侵害を規制したりしている。
◆ 不正競争防止法は、不正競争に当たる一定の行為に規制をかけることで、知的財産を保護している。
◆ 知的財産法と不正競争防止法は、お互いに補完し合うかたちで、知的財産を保護し、経済を健全に発展させる役割を果たしている。

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