第一法規株式会社|教育研修一覧

2012/03/13号

~どうして記録を残しているの?~の巻

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報告書や提案書、申請書や議事録…。会社で仕事をする上で、書類の作成は欠かせないものですね。足尾さんも書類作成に励んでいるようですが…。

足尾さん、だいじょうぶですか? 忙しそうですね。

午前中の会議の議事録をまとめているんです。そうだ! 明日の打合せの提案書も作成しなきゃ…。ああ、会社って、なんでこう資料や文書が多いんでしょうねぇ。

たしかに、業務の無駄は省いていかないといけないですよね。

本当にそのとおりですよー。

でも足尾さん、午前中の会議はとても重要な会議だったわ。その会議の議事録作成だなんて大役よ! がんばって。

は、はい…。

足尾さんが疲れているみたいだから、すこしコーヒーブレイクしましょうか? ふたりとも、「公文書管理法」という法律は知ってる?

なんですか、それ?

2011年に施行された法律ですよね?

さすが大麦さんね。公文書、つまり行政機関やその職員が、職務上作成した文書の管理について、ルールを定めた法律よ。

ふうん。でも、行政機関の人が作る文書についてのルールだったら、僕たちには関係ないですよね。

まあ、そういわないで。公文書は、国が決めたことの記録だから、私たちにも関わってくるものなのよ。いわば国民共有の知的資源といえるわね。

そういえば、法整備の背景には、年金記録管理の問題など、不適切な文書管理が原因で起きた問題がきっかけで、将来に備えて記録を残すことの重要性があらためて再認識されたことがあるそうですね。

なるほどー。そういえば、話題になっていましたね。

実は、公文書管理法では、決定事項だけではなくて、どういう経緯でその意思決定に至ったか、つまり政策の決定過程が分かるように、公文書を保存・管理することを、行政機関に義務づけているのよ。

たんに決定事項だけを残していけばいいというわけではないんですね。

そこがポイントなのよ。

将来に備えて、正確な記録を残すことが大切なのは、企業も同じですよね。

そのとおり! 行政はもちろん、企業においても、競争力を高めてビジネスを発展させるために、適切な文書管理はとても大切よ。

競争力を高める、かあ。ちょっと、やる気が出てきました。

それに、内部統制の仕組みを構築・運用するという側面からも、文書や情報をきちんと管理して、記録を残すことの重要性が、ますます高まっているのよ。

帳簿や伝票類から、契約書や稟議書、会議の議事録、提案書に作業報告書…。会社には、たくさんの文書がありますけど、どれも意味があるものなんですね。

そうね。身近にある文書こそ、どういう意味があるものなのか、きちんと理解して仕事を進めることが大切よ。

きちんと文書管理がなされていれば、経営や業務の効率も高まりますよね。

そのとおり。それに、いざというときにステークホルダーに対して説明責任を果たすためにも、適切な文書管理がなされていることが不可欠よ。

そういう意味では、足尾さんが今まとめている会議の議事録も、とても大切な会社の文書ですよね。

そうね。もちろん、議事録づくりが大変で、業務が非効率的になってしまうのでは本末転倒よ。でも、貴重な時間を使って議論した内容を、きちんと整理して各人の認識を共有し、時間が経っても内容を確認するために、議事録は、会議をより実りある業務効率の高いものにするとても大切なツールだといえるのよ。

なるほど~。身近な文書も、なかなか奥が深いんですね。議事録、がんばって、作成しますっ!

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