よっしーが新聞を読んでいます。
いよいよ厚生年金の支給開始年齢が引き上げですって…。今は60歳からですけど、今年4月から段階的に引き上げられて、2025年には65歳からになるんですよね。
えっ!? ということは、定年が60歳の会社の場合、その後65歳までは無収入で過ごさなきゃいけないってこと??
足尾さん、そうならないような制度がちゃんと考えられているのよ。
あっ! えり先輩!!
高年齢者雇用安定法で、65歳までの雇用を確保するための様々な制度の導入が、企業に対して義務づけられているの。
65歳未満の定年を定めている企業は、
(1) 定年の65歳以上への引上げ
(2) 継続雇用制度の導入
(3) 定年の定めの廃止
のいずれかの措置を講じる義務があるのよ。
よかった! じゃあ、問題ないですね。
でも、継続雇用について労使協定で一定の基準を設けて、再雇用対象者を限定することができるって聞いたことがあるんですけど、ということは、再雇用を断られることもあるってことですよね。
えっ? じゃあ、やっぱり安心できないってことですか?
以前はよっしーの言うとおりだったけど、2012年8月に高年齢者雇用安定法が改正されて、原則全ての希望者を引き続き雇用することが義務づけられたのよ。
希望者全員! よかった~。
それに、年金支給開始年齢の引上げに合わせて、希望者全員の継続雇用の年齢も、段階的に引き上げられるのよ。
じゃあ、安心ですね。
そうね。ただ、
(1) 心身の故障のため業務に堪えられない場合
(2) 勤務状況が著しく不良で、引き続き従業員としての職責を果たせないなど
就業規則に定める解雇・退職事由(年齢に関するものを除く)にあたる場合は、例外として、継続雇用しないことも可能となっているわ。
解雇・退職事由にあたるような場合は、希望者全員の継続雇用の対象外なんですね。
高年齢者の雇用確保のための措置を講じないで、厚生労働大臣の指導や助言にも従わない企業は、勧告を受けるわ。それでも従わない場合は、厚生労働大臣により、その旨を公表されるのよ。
高年齢者の雇用の確保は企業の義務っていうことですね。
そのとおりね。
僕、60歳で定年して、趣味のドライブでブイブイ言わせるはずだったんですけど、年金や継続雇用のことも考えて、計画を立て直そうかなあ。
足尾さん、今どき、ブイブイ、って…(汗)
◆改正高年齢者雇用安定法により、企業は、高年齢者の雇用を確保するために、継続雇用制度等を導入しなければならない
◆継続雇用制度を導入した企業は、原則、希望者全員を継続雇用することが義務づけられる
◆年金支給開始年齢の段階的引上げにあわせ、継続雇用の年齢も引き上げられる
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