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2013/06/11号

~パワハラ恐怖症!?~の巻

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パワーハラスメントについての認識が広まるなか、部下や後輩に対する自分の指導がパワハラにあたるのではないかと、不安に思う人も増えているようです。

う~ん、どうしようかしら…。

どうしたんですか?

今度、社内で管理職を対象にパワハラについて研修をするんだけど、内容をどうしようか考え中なの。

一般的な内容ではだめなんですか?

人事部から、「自分の指導がパワハラにあたるのではないかと不安に思う管理職が増えているから、指導とパワハラの違いについて、わかりやすく講義してほしい」と言われているの。

そういう問題がでてきているんですね。

厚生労働省では、パワーハラスメントのことを、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義しているけど、はっきりと「ここが境目です!」って言い切れないのが難しいのよね…。

言葉や態度の受け止め方って、個人差がありますし、業種や会社、部署によっても状況は違いますもんね。ジェネレーション・ギャップもありますし。

上司がパワハラだと指摘されることを恐れて、部下を指導しづらくなってしまうのは問題よね。厚生労働省も、「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」で、「上司には、自らの権限を発揮し、職場をまとめ、人材を育成していく役割があり、必要な指導を適正に行うことまでためらっていけない」と提言しているわ。

私もやっぱり、ダメなことをしたときなど必要な場合は、上司にきちんと指導してもらいたいです。

だから、今回の研修では、「必要な指導はためらわない」ということを伝えるとともに、うちの会社では、どういうものがNGな言動や行動なのか、みんなで討議しながら、考えていく研修にしたいと考えているの。

いいですね! 自分の職場では、と具体的に考えるとわかりやすいかもしれませんね。

そして、相手を個人として尊重することと、そのために相手の受け止め方や考え方を理解するには日々のコミュニケーションが大切ということも、しっかり伝えていきたいと思っているわ。

コミュニケーションがしっかりとれていれば、パワハラになってしまうような残念なことはないはずですよね。

厚生労働省の提言でも、職場の一人ひとりに期待することとして、「人格の尊重」「コミュニケーション」「互いの支え合い」が挙げられているわ。

上司も、部下も、同僚も、先輩も、後輩も、きちんとした人格を持つ個人として、お互いに尊重するのが解決への道、ということですね。

そのとおりね! おかげで、研修のイメージが固まってきたわ。

私も勉強になりました! ありがとうございます。

◆上司は、自らがパワーハラスメントをしないことはもちろん、部下にもさせてはならない。ただし、必要な指導を適正に行うことは、ためらってはならない
◆職場の一人ひとりに期待すること
○人格尊重:
互いの価値観などの違いを認め、互いを受け止め、人格を尊重しあう
○コミュニケーション:
互いに理解し協力し合うため、適切にコミュニケーションを行うよう努力する
○互いの支え合い:
問題を見過ごさず、パワーハラスメントを受けた人を孤立させずに声をかけ合うなど、互いに支え合う

※厚生労働省
「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」 2012年3月15日より

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