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2013/07/09号

~夏だし、暑いし、「ヒヤリ」~の巻

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毎日の仕事の中で、大したことではなくても、「ヒヤリ」としたり、「ハッ」とするようなことってありませんか? 大きな不祥事をなくすカギ、ココにあり!

えり先輩、大変です~! ウチの会社のA工場で、大きな火災が発生したそうです。

えええ~!! 大変なことが起こったわね!!

A工場では、これまでにも、小さな事故が何件かあったみたいで。どれも大事には至らなかったみたいですが…。

そう…小さな事故が起きていたのね。

そういえば、A工場にいる同期がこの前ぼやいていたな…。工場内が危なっかしくってしょうがない、何かにつけてヒヤヒヤすることが多いって。

…ハインリッヒの法則だわ…(ブツブツ)。

え? アイン、イッヒ…??

「ハインリッヒの法則」よ…。ひとつの重大事故の背後には、29の軽度の事故があり、その背後には300もの「ヒヤリ・ハット」(ヒヤリとしたり、ハッとするような出来事)がある、という経験則のことよ。

へえ! 300も!?

1930年代に、アメリカの損害保険会社のハインリッヒ氏が、5000件余もの労働災害を統計的に調べて導き出したものなの。「ヒヤリ・ハットの法則」とも言われていて、労働災害だけでなく、コンプライアンス全般にも当てはめられるわ。

大きな不祥事の背後には、小さな事故やクレームがあり、その背後には、いくつもの「ヒヤリ・ハット」の現象がある。小さな芽のうちに、何らかの対策を打っておけば、大きな不祥事は防げるかもしれない、という考えですね。

そうよ。もちろん、現実的にリスクをゼロにすることはできないけど、少なくすることにはつながるはずよね。

「ヒヤリ・ハット」なんて俺にとっては日常茶飯事だから、いちいち気にしてなかったなー。

えっ!? 日常茶飯事って…(汗)

一人ひとりが「ヒヤリ・ハット」のような小さなことでも軽視せずにチームで共有したり、上司や専門部署に報告することが、大きな不祥事を防ぐためには必要なことなの。

管理職は、そういう「ヒヤリ・ハット」を吸い上げる仕組みづくりに取り組むことが求められますね。

なんだかハインリッヒの法則って、日常生活でも当てはまりそうだなー。よーし、これからは仕事の「ヒヤリ・ハット」的な出来事をメモして、改善に生かそっと! 俺ってデキるビジネスマ~ン!!(ルンルン♪)

(そんな軽いノリで大丈夫かしら…)

まずはメモ帳を取り出してっと。ウワッ!(机の上に積んでいた書類が崩れ落ちる)ふ~、足の上に落ちるところだった。これこそ、ヒヤリ・ハットだな。

筋野さん、ヒヤリ・ハットがあったら?

小さな芽のうちに対策を!ですよね! 今からすぐに片づけます!

◆ひとつの重大事故の背後には29の軽度の事故があり、その背後には300もの「ヒヤリ・ハット」がある=ハインリッヒの法則
◆大きな不祥事を防ぐためには、小さな芽のうちに、何らかの対策を打っておくことが重要である

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